1988年9月発売
大きな銀杏の木の下に、少女はうずくまっていた。泣いている?それが初めての出逢い。由美は再生不良性貧血で、入退院を繰り返していた。慧の通う旭野高校に入学してからも、病状は悪化するばかりだった。早朝に病室を抜け出し、慧のバイクで冬の海へ行った日、由美は、その大きな瞳で彼をみつめていった。-わたしのこと、忘れないで。時々でいいから、憶い出して…。レーサー志望の少年と病身の少女をめぐる青春の感動。
花の17歳、花の女子高3年。でも、女子校生活12年目のあたしの前にひろがるのはフツーのおばさんへの1本道。そんなあたしに、親友の美咲ちゃんから声がかかった。「夕香、劇団に入らない?」あたしの役目は地味〜な衣装係。だけど新しい仲間もできるし、マンネリ生活も打ちやぶれるし…。で、いたのよね、心ときめくカレが。そんなあたしが、どうして命をかけた恋と逃走の女主人公になっちゃうの?
どんな願いごとも、すぐにかなえてくれる愛の宝石“ラブ・クリスタル”。わたしとトオルは、この宝石を探しに、ラブワールドに旅立ちます。ふたりっきりで。と思ってたら、とんでもない。なんなんと、奇怪なクラスメートをはじめ、じゃまなひとたちがゾロゾロついてくる。そのうえ、ラブワールドはきわめつきのこわあい国で危険がいっぱい。仏滅妖精の予言が、不吉のはじまりだったなんて!もー死んじゃいそう。
あたしが通っているスイミングスクールのなかまが、謎の死をとげた。順子はプールで泳いでいる最中に、圭子は道路で、浩美は足洗い場で…。そして事件がおこるたびに、あたしの好きな、スイミングの渡辺コーチが必ず出てくるの。カレには誰も知らない秘密があって、警察に目をつけられているけど、ぜったい、カレは犯人じゃない。真犯人が誰か、わかりかけたとき、殺人者のつめたい手があたしを…。愛と憎しみの殺人事件。
「タ、タカシのウソつき!」VIP警護のため、頓堀温泉へ向かう松前高志刑事に、相棒の徳石刑事は叫んだ。何をかくそう、この色白、小柄の徳石こそ、われらが変装娘・忍なのだ。「VIPが25歳の美人だなんて。65歳のお婆ちゃんていったじゃない!」。湯けむりかおる温泉町で、忍と松前のアツアツムードは、あやしい気配。それどころか、ふたりを待ち受けていたのは、ニセの忍と、とんでもない殺人事件だったのです。
あたし、後野まつり。八幡高校の1年生。おなじみの超常現象研究会のメンバーたちと、相変わらずの日々を送ってます。ところが、入寮してからというもの、妙な夢を見るようになったの。それは、鉄仮面少女に襲われる夢。そして、その夢を見るたびに、何かが迫ってくるみたいな恐怖が…。いったい、どうしちゃったんだろう?あの夢には、何か意味があるのかしら…。
あたし、大松哲子。県立今時高校の2年生で、剣道2段。うじうじしたヤツが大キライな性格で、“男女のテツ”と呼ばれている。そのあたしが、剣道の対校試合で、男子の先輩の身がわりになったばかりに、とんだ事件にまきこまれてしまったんだ。困りはてたあたしは、幼なじみの恋人(?)の姫野百合男-通称“ユリコ”-に助けてもらおうと思ったんだ。ところが…。
わたしは、工藤彩子。高校2年生。わたしの愛しい人は、三島由紀矢くん。野球部の補欠だけど、わたしにとってははカッコイイ人。なんとしても、この恋、実らせたいと思っていたんだけど、ライバルが…。その人の名は富田ひろえ。ぶりっ子のくせして、とんでもなく、ヤな女。こんな子に、三島くんを取られてたまるもんですか。わたし、がんばっちゃうからね。