1993年6月発売
あたし、森山小夏。元気で明るい高校2年生。そして、あたしのボーイフレンドは、なんと、あの、人気モデルの杉本聡くんなの。でも、聡くんは、今や、すっかり有名人で、おちおち、外でデートもできないの。ファンの女のコには睨まれちゃうし、そのうえ、恋のライバルまで登場して…。もう、このままじゃ、聡くんをとられちゃいそう。そこで、あたしは、この夏、美人になる決意をしたんだ。
さあ、夏休み。わたしは日下くんと美奈子と共に、沖縄へやって来た。まぶしい太陽、青い海と白い砂浜は、真夏の恋にぴったり。ところが、この美しい島で、リゾート開発会社の社長が殺されてしまったの。この社長と一緒に来ていた夫人は、犯行時刻には20キロも離れた小さな島に行っていたし、開発反対派の人々にもアリバイがある。けれど、潜水艇から見た海底のサンゴ礁が、わたしに、ある重大な真実を教えてくれた。
あたし、川島舞子、高校2年生。16歳。で、あたしの彼の名前は、高杉薫。カオルとは、友達の紹介でつきあいはじめて、2か月とちょっと。もうそろそろ、ファーストキスかな…、なんて思ってたんだけど、なんと、あたしたち、ふたりだけで、1泊旅行にいくことになっちゃったんだ。1泊旅行だなんて…、キスどころか、それ以上にいっちゃう可能性だって大じゃない。あたし、どうしたらいいんだろう。
わたし、藤岡未宇、15歳。メガネをかけてる、ふつうの女のコ。どじで、とろくって、てんでさえないの。ところが、ある日。「きみをスカウトしたいんだ」。カッコいいお兄さんに、声をかけられたから、びっくり。なんと彼はスーパースターを育てる名人だったの。本当に、わたしがアイドルになれるの?アイドル、ときめきストーリー。
高3で、少女マンガ家志望の、あたしの名前は、富田有美。というあたしの大親友の名前は、宮田里美。ね、漢字の見た目が、似てるでしょ。性格は、みごとといってもいいぐらい正反対の、あたしたちなのに。この名前のせいで、ときどき人違いされちゃうの。それって、ただでさえ、あんまり気分いいコトじゃないのに。あたしの片想いの黒崎律くんまで。ねえ、恋って。どうしてこんなに「まさか」の不安だらけなんだろうね…。
あたし、千晶。世間は夏で浮かれてても、ひたすら勉強しなくちゃいけない、浪人生。ひと足先に大学生になったホシオは、ノーテンキに映研の連中と飲んだくれてるのに。違う世界の、違う時間の中で、あたしたちの距離も、あたしたち自身も変わっていく。ただでさえ不安なのに、ホシオが家を出て、ひとり暮らしを始めてしまうなんて。あたしたち、このまま離れ離れになっちゃうの…。
あたし、麻衣。サッカー部のキャプテンしてる松永と付き合い始めて、もうすぐ1年になる。一緒に帰ったり、デートしたり。うまくいってるつもりだったけど…。いつからだろう、松永のまなざしや言葉の中に、いままでと違うものを感じだしたのは。あのよそよそしさは、あたしの思いすごしなの…?不安でいっぱいのあたしの前に、ある人が突然、現れて…。
“改変”が行われてしまった。片桐先輩は〈恋人たち〉の協力者に殺されてしまったんだ。先輩を生き返らせるためには、あたしと〈魔法使い〉は、〈運命の輪〉を中立の見届け人とした〈恋人たち〉との勝負に勝たなければならない-。制限時間内に〈恋人たち〉の協力者を探し出さなければならないんだ。新たなタロットの大精霊、女好きでド派手な〈愚者〉の登場。そして、驚愕の新事実も発覚し、物語は意外な方向へ。
わたし、桜井乃々はあこがれの山手聖学院に合格したの。横浜の港を見下ろす高台にそびえ立つ白い校舎。おしゃれで、賢そうな先輩たち。そこでは恋だって特別に甘いはず…、と思って、必死で受験勉強をしたんだ。そして、待ちに待った入学式の朝。遅刻しそうになり、学校への長い坂道を急ぐわたしの前にあらわれたアイツ。ひとのことをからかったり、デリカシーのないやつ。でも、どこか印象的な男の子なんだ。
女の子って、恋をすると不安になるよね。男の子は、どうなんだろう。やっぱり恋して悩んだりするの?由佑くんの場合は-。オレ、杜谷由佑。16歳。親友の省吾に、遠山雫が好きだとうちあけられた。オレが好きなのも雫だなんて、今さら言えないよ。オレは自分の感情を隠しつづけた。友情を選んだ。告白まで手伝って…。それなのに、雫のことが忘れられないなんて-。キミにも聞いてもらいたい。オレの恋の話。
ゆっくりと体を引き寄せ、唇が重なる…。「やめろ!」と、竜憲が叫んで、弾き飛ばした相手は、まさかの大輔。悪い冗談なのか、彼に取り憑いた魔物の仕業なのだろうか。一方、もともと女にしか興味がない大輔の前には、美しい女が神出鬼没する。しかし、この女が現れるたび、誰かが消えていく-。人を食らい、若さを食らって生き、大輔に会いにくる女の目的は何?命を賭けて魔物と対峙する大輔の運命は。
「まず会社を辞めよう!」二十二歳の吉武真希は単調な生活を変えたくて、ついに決心する。そんな真希の気持ちは、高校時代からの彼、圭輔には伝わらない。気持ちが通じあわないまま、「東京で美術の勉強をする」と宣言する真希。「俺たちはもう終わりなのか」と呟く圭輔。その言葉に真希の心は揺れる…。会いたい時に会えないのは、恋人じゃないの。
山中墓地高校の校門前で、セーラー服の美少女五人のスカートが同時に高く舞い上がった。風のイタズラか、それとも単なる読者サービスか。いや、それは超人的な身のこなしで上昇気流を作りだした一人の少年-、嵐虎丸の仕業だったのだ。スカートめくりと盗み撮り写真に青春を燃やす、虎丸以下、劇写ハレンチ四人衆が巻き起こす、努力・友情・勝利の存在しない物語。