1997年5月発売
“かごめ”の歌は、謎に満ちた歌だ。ほとんどのフレーズが逆の意味を持っている。“うしろのしょうめん”とか“夜明けの晩”とか…。短大に合格したばかりの松浦夏生は、B・Fの小柳津保とその謎解きを始める。一方、夏生の親友、篠沢葉子は浪人を決意、画家である父の実家の奥三河(静岡県)へ引っ越す。ところが、引っ越した直後、葉子が謎の失踪をとげる。夏生は小柳津と共に奥三河へ飛び、葉子を探すうち、一角獣にまつわる不思議な事件に巻き込まれてゆく…。長年、一角獣伝説を追う著者が、構想新たに取り組む、幻想の世界。
ある裕福な大学教授のお宅で、盗難が相次いだ。ちょっとそのへんに置いてあったお財布などから、少しずつ-ほんの少しずつだけど、たしかにお金を抜きとっている人が家の中にいるという。あたし、工藤由香。桜崎探偵事務所で電話番をすることになったあたしは、圭二郎さんと二人で調査を開始。ところがその晩、教授宅のメイドが一人、突然、死んでしまったの!!いったい、あの家でなにが起きているの。
浅間山での死闘を終えた卓也と薫は、陰の気渦巻く東京へ戻ってきた。七曜会の術者・伊集院雪之介や、東京に応援に来ている三島春樹関西支部長の協力を得た二人は、鬼に捕らわれている透子を救うため、新宿に出現した鬼の城を目指す。目前に立ちはだかるのは、魏震華の鬼遁甲の迷宮。その先にあるものは果たして…。
館野ミカル、十八歳。職業-少女漫画家。怒濤の修羅場を終えて、フラフラのところにアシスタントのアルバイトの話が舞い込んだ。超売れっ子漫画家花菱百合花が、締め切りでピンチだというのだ。一日三万円のバイト料につられて、花菱家に向かったミカル。お城のように豪華な仕事場に圧倒されるが、何とそこで殺人事件が発生!担当編集の美青年滝川が怪しいと、ミカルは睨んだのだが…。