1998年12月発売
真琴は、奥田先生のこと気になっていた。音楽室の廊下で声をかけてもらった時から、先生の携帯電話を拾った時から。ううん。それよりも、もっと前、入学式の時から。真琴と先生は、小説家になりたい同じ夢を見ていたことで強く引かれあう。だけど、先生は結婚している。この気持ち認めるわけにはいかない、真琴は、そう言い聞かせてきた。あの日までは-。
美少女吸血鬼ジルと暮らす森写歩朗のもとに、お子様吸血鬼サフィーがやってきた。お子様といっても実はジルの姉。その昔ジルをかばってブラックウイナーに捕らえられ、心臓に爆弾を仕掛けられて、仕方なくジルを追うことになったのだ。またまた追われる身となった森写歩朗とジル。と、そこに元ブラックウイナーのモンドーから突然電話が入る。「サフィーの爆弾は排除できます。サフィーの心臓をドッキンドッキさせてください…」。かくして森写歩朗脚本演出による、『ドッキンドッキ大作戦』が始まった。
東北地方の山あいに、世を捨て、自給自足の平和な生活を営む『緑の矢』という共同体があった。指導者・四条隆之には二人の養子がおり、響は武術に秀で、16歳の紗矢は、植物の生育を促し守護するという特殊な能力ゆえに、共同体の実質的な中心人物でもあった。だがある年、山ひとつ隔てた里に、巨大な白亜の建物ができた。「自己啓発」の研究で名を成した緒方柊一のセミナーのための物で、若者たちが大勢集まってくるが、洗脳された彼らによって『緑の矢』は襲撃され、紗矢が連れ去られてしまう-緒方の悪魔的な野望のために。
「争いたくなければ鬼無里から手を引け。二度と我々に干渉はするな」和解を申し入れた秋川に対しての、それが柵の返答だった。両者の話し合いが決裂したかに見えたまさにその時、天狗の罠が動き出す。-柵一族の拠点である一夜山に、火がかけられたのだ!庄間一哉が柵の者たちまでも操っていたことを知り、弓生と聖は一夜山へ急ぐ。一方、鬼無里の鬼女を封じるか否か未だ決断がつかないまま、佐穂子は炎と襲撃者の手から紅葉を救うべく結界の社へと向かったが-。
放浪の戦士と異世界の少女の出逢い、すべてはここから始まった。盟約という堅い絆で結ばれた二人は、いくたの危地を乗り越え、あまたの合戦に勝ち抜いて、戦士は大国の王に、少女は王と国の守護神となった。獅子王と妃将軍がつむぐ、デルフィニアの伝説がここに完結する。