2009年2月10日発売
遠野綾は高校二年生。平凡な日々を送る彼女の一番の幸せは、部活を通して知り合った他校の男子生徒、村瀬一哉と毎日電話で話すことだった。何度も電話をするうちに、互いを友人以上の存在として意識し始めた二人だったが、夏休みの終わりに一哉は事故死してしまう。本来であれば、二人の物語はそれで終わったはずだった。しかし一哉の通夜の晩、綾のもとに一本の電話がかかる。電話の主は死んだはずの一哉。そして戸惑う彼女にその声は告げた。死んだのはお前の方ではないのかと…。二人が行き着く真実とは!?出会えぬ二人の運命は!?携帯電話が繋ぐパラレル・ラブストーリー。切なさともどかしさが堪らない、第15回電撃小説大賞「金賞」受賞作。
真夜中に出没し、超低金利で高額融資をする“090金融”ヴァンパイア・ファイナンスを営む“万城小夜”。今夜も獲物=融資客を求めて蠢く。送りオオカミをめざす“ひのけん”。性転換手術をしようとしている“美佐季”。振り込め詐欺グループに復讐を目論む“「やえざくらの会」の老人たち”。ドラッグ・デザイナーを辞めたがっている“しずか”。都会のアンダーグラウンドで息する彼らは小夜に出会い、融資をうけるかわりに自身の問題に首を突っ込まれるが…。債務者それぞれ衝動や欲望をフルスロットルにし、ひしめきあって無限に増殖する狂騒のハードスケジュール群像劇。
“紅世の徒”最大級の組織「仮装舞踏会」の盟主となった“祭礼の蛇”坂井悠二。彼はベルペオルら『三柱臣』と共に、『大命』成就のため『久遠の陥穽』に旅立った。一方、残された「仮装舞踏会」の軍勢は、フレイムヘイズの拠点・外界宿へ一大攻勢をかける。その動きを受け、ゾフィーは、何処かに潜む移動要塞『星黎殿』陥落を目指し、再び『フレイムヘイズ兵団』を結成する。単独で動くヴィルヘルミナは、カムシン、レベッカと共に『炎髪灼眼奪還計画』を発動、シャナ救出のため『星黎殿』に乗り込むのだった。そして、その二大勢力の戦火は、囚われのシャナにも及んだ。『星黎殿』攻防戦の余波を受け、重傷を負った彼女を待ち受ける危機的状況とは…。
ケルーベでの騒動の後、ロレンスたちが向かったのは、海を渡った島国のウィンフィール王国。目的地は、『狼の骨』を持つというブロンデル大修道院だ。王国に着いたロレンスたちは、羊毛取引で富裕なはずの修道院が経済的危機に陥っていると耳にする。しかも、世界最強と名高い経済同盟・ルウィック同盟が、修道院の土地を狙って王国に進出してきたという。不穏な情勢の中、ロレンスたちは修道院へ近づく足がかりを作るため、同盟の一員である商人ピアスキーに協力を依頼することになるのだがー?絶好調の新感覚ファンタジー第10弾、舞台はウィンフィール王国へ。
涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福をー。長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガとの政略結婚だった。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。果たして、山脈の地に平和は訪れるのか。そして、極寒の地に舞う恋の行方は…。『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く“人喰い物語”最終譚。
三学期が始まり、平穏に(?)妖怪対処の日々を送る僕たち美術部。そんなある日、僕らの邪魔をする謎の兄妹が現れた!?危険な妖怪たちを野放しにはできないと話しても、僕らの言葉に聞く耳を持たない二人。彼らの目的とはー?謎は深まるばかりですが、イタチさんのお部屋訪問や、三学期の一大イベントバレンタインデーからも目が離せないワケで…って、そんなこと言ってる場合じゃない!?新しい敵の登場で、僕らの放課後は大混乱なのです!ピュア可愛いイタチさんと僕の、放課後不思議物語。第14回電撃小説大賞“大賞”受賞作、第4弾登場。
謎の空間転送に巻き込まれた錬とフィア、サクラ、イル、ディーが目覚めたのは、大気制御衛星の中だった。一方、エドとセラを連れ北極を彷徨うファンメイは、北極地下の大規模施設に潜伏する老人たちに捕らわれてしまう。同じ頃、北極海中の“Hunter Pigeon”では、ヘイズ、クレアと祐一が、大気制御衛星の秘密が眠る地下施設をシンガポール、ロンドン両軍から守る方法を、必死に模索していた。そんな彼らに真昼がもたらした“策”-それは世界を相手に仕掛けられた、壮大なブラフだった!!“魔法士”誕生の秘密が、ついに明らかになるシリーズ最新作。
“もしもこのトランクを拾った方がいたら絶対に開けないでください。人にとって危険な武器が入っています。開けない限り危害はありません”混乱する事故現場で相沢遼一が託された歪にひしゃげたトランク。その中に入っていたのは、両膝を抱えるように丸くなっている精巧な人形のような…一糸まとわぬ少女だった。はたして彼女が危険な武器なのか、もしくは何かの道具なのか、それともー。遼一の手元にあるのは七つの駒と地図とウサギのぬいぐるみ。謎の少女を連れて、目的の見えぬ生き残るための“禁断”のゲームが始まる。
「やっと会えたー、葉桜」琵琶湖上、アポストリの本拠地である“十字架”付近に浮かぶ多景島。社会科見学でそこを訪れた学と葉桜は金色の髪をした謎の少女と出会う。白夜と名乗る彼女は葉桜の名を呼び、また葉桜もなにか思い当たることがあるようだった。その出会いから葉桜は豹変する。白夜に異常な執着を示し、一方で彼女の存在を周囲から隠そうとする。学はその理由を探ろうとするが、事態は思わぬ方向に転がりはじめー。はたして白夜の正体とは!?第14回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”受賞作第3弾。
山田梢太として華乃子とひとつ屋根の下での生活にテンパる加地梢太。地方の小さな病院で静かに暮らすジョナサンー。鳥籠から巣立った住人たちはそれぞれの生活を送っていた。「鳥籠荘」は無人となり、このまま歓楽街のはずれで朽ちていくだけなのか…。そんなある日、トランクを引いて「鳥籠荘」の前に現れたのはー?「鳥籠荘」の後日談エピソードに加え、番外編「Blood Party!〜眼鏡と吸血鬼〜」を収録。-女子高生・キズナが通う学校に勤める美術教師・浅井にはある噂があった…。それは、吸血鬼!?「鳥籠荘」は吸血鬼の館!?謎めいた保健室の先生・由起も登場する、もうひとつの「鳥篭荘」ワールド。
頻繁に現れる幻覚に、だれもがかけているメガネー文化祭開催を目前にひかえ、街全体で奇妙な出来事が起こっている日炉理坂。その裏側で、『ノットB』の所在を突き止めた日本政府『内閣情報調査室/別室』は、いよいよ接触を試みようとしていた。二つに分かれた“It”とともに、冬月日奈復活の鍵となる魂エネルギーの半分を持ち去った『ノットB』。堂島コウが信念を貫けず、失意のどん底にある一方で、その“分身”である『ノットB』は、いったい何を思うのか?ますます目が離せない、人気シリーズ新章第6弾。