著者 : 森井しづき
七日間限定の聖杯戦争も遂に佳境へ。エルメロイ教室の生徒たちは磨き上げた魔術の連携でティアを食い止めんとし、彼らからの後押しを受けたヒッポリュテは宿敵アルケイデスに全力の宝具を放つ。禍々しい魔力を放つ地下の大聖杯を巡りシグマは地下へと進み、市内ではオーランドと警官隊もまた死地へと向かう。同時刻、アヤカは意識を失い、己の過去を全て思い出し絶望の闇に囚われる。そして、仇敵である女神の最期を看取ったエルキドゥは、クリスタルパレス最上階からあり得ない気配を感じとりー。「まさか…君なのか?」偽りの聖杯戦争を仕掛けた者達ですら、その結末を予測する事はできないまま、全ての終焉に向かおうとしていた。
呼び寄せられた巨大台風ー天の牡牛によって混乱する聖杯戦争。人理を否定するがごとき女神の暴虐を許すまいと、宝具を撃ち放つランサー。そこに立ちはだかるのはランサーにとって因縁の怪物、真バーサーカーだった。さらには神を憎み抗う復讐者による魔矢の洪水が降り注ぎ、『ネオ・イシュタル神殿』を中心に大規模な衝突が始まった。そして、一人のサーヴァントが影の中から女神に告げる。『-汝に、晩鐘を届けに来た』一方、非常事態の中で共闘を目指すマスターとサーヴァントたちが渓谷にて合流する。だが、エルメロイ教室の面々を前にアヤカは…。
それは、ペイルライダーの作り出す空間が破られた直後のことだった。米国での聖杯戦争にマスターの一人として参加した時計塔の鬼才フラット・エスカルドスが、狙撃手による凶弾によって頭部を撃ち抜かれ、崩れ落ちた。-はずだった。だが彼は突如として再生する。英霊以上の魔力を伴う、此度の聖杯戦争における最大級の危険因子として。同時刻、西部の森林内では真バーサーカーとそのマスターであるハルリが、女神イシュタルの下で神殿を建築しようとしていた。さらにはイシュタルが呼び寄せた“台風”も近づいており…。混乱に満ち満ちた状況を前に、黒幕達は非情なる裁断を下す。-48時間後、スノーフィールドを『浄化』する、と。
何も変わらぬ街の景色。数時間前には各陣営の勢力が入り交じり、大立回りが繰り広げられたはずの大通り。だが戦禍の跡など微塵もなく、何事もなかったかのような街並みを前に、ただ呆然と立ち尽くす警官隊達とセイバー陣営。そこは幼きマスター・繰丘椿の夢の中。椿の魔術回路と繋がった『まっくろさん』によって生み出され、椿の願いを叶えるためだけに存在する閉じた世界。脱出方法を模索するセイバー達だったが…。
それは神々の戦か、あるいは地獄か。二百体を超える悪魔と化した『バーサーカー』ジャック・ザ・リッパーの能力すら奪い去り、異形の力を手にした『真アーチャー』-変質した大英雄の暴威。病院に眠る一人の少女を屠り去ろうとする『真アーチャー』に立ちはだかり、疑似宝具の力によって奮闘すクラン・カラティンたち。その絶望的な戦いに逆転の一手を投じたのは、戦場に初めて姿をあらわした警察陣営の『キャスター』による切り札だった。一方、病院前の戦場に駆けつけた『セイバー』は、遙か格上の英霊ギルガメッシュとの一騎打ちに挑み…。
十三柱の英霊達が揃った瞬間から始まった『七日間限定』の聖杯戦争。スノーフィールドは一見して平穏のまま二日目の朝を迎える。だが街は静かに、しかし確実に蝕まれていた。全てを見通すクラス『ウォッチャー』を召喚した兵士の青年は、狂信者の『アサシン』と対峙し、そしてさらにもう一組の乱入者を迎える。神を憎む英霊の前には『女神』を名乗る女が現れ、機械仕掛けの『バーサーカー』による猛威が魔術工房に吹き荒れる。己の正体を求める『殺人鬼』は時計塔の麒麟児とともに、一人のか弱き少女を救うため強者へと挑む。連鎖する衝突、日常への浸食。新たな局面を迎えた各陣営の思惑はいかに。
偽りの聖杯戦争を生贄として、本物の聖杯戦争を喚び起こす。それが黒幕たちが執り行った大掛かりな仕掛けだった。黒幕陣営が召喚せし新たなる英霊達。そして、プレラーティの雇った若き傭兵シグマが喚び出してしまった“エクストラクラス”の正体とはー。シグマはまだ知らない。彼が喚び出したモノが、英雄とも神魔の類とも表しがたい、一際異常な『現象』であるという事を。雇い主の好奇心を満たす為の要素でしかなかった彼が、最大のイレギュラーとして戦いに巻き込まれることも…。開戦の日の夜明け。スノーフィールドという歪な戦場に、全てのピースが揃おうとしていた。最後に組み上げられる絵の完成図すら、誰一人想像できぬままに。
冬木と呼ばれる地で語られる、どこにでもあるような噂話『蝉菜マンションの赤ずきん』。その話には、噂では語られぬ続きがあった。米国・スノーフィールドにて紡がれる、都市伝説の後日談。その怪談の主役、アヤカ・サジョウが巻き込まれたのは、生半な流言飛語などよりも遥かに荒唐無稽なー偽りだらけの聖杯戦争だった。「問おう、汝が俺のマスターか」半壊したオペラハウスの中、アヤカの前に佇むのは『セイバー』と名乗る騎士。聖杯戦争の仕掛け人たちですら与り知らぬ謎のサーヴァントの参戦により、事態は混迷を極めていく。そして、市内のカジノビルで賭博に興じるギルガメッシュは、そのときー。
「電撃文庫MAGAZINE」連載の、図ありイラストあり、挙句はQRコードすら載った奇文珍文目白押しの短編が、1冊にまとまって登場!不可解極まるキャラクターたちが織りなす爆笑必至の物語の数々を見よ!雑誌連載分に加え、恒例ボツネタ集&書き下ろし+αとボリューム満点でお贈りする、編集部の狂気を感じる短編集!
あらゆる願いを叶える願望機「聖杯」を求め、魔術師たちが英霊を召喚して競い合う争奪戦ー聖杯戦争。日本の地で行われた第五次聖杯戦争の終結から数年、米国西部スノーフィールドにおいて次なる戦いが顕現する。-それは偽りだらけの聖杯戦争。偽りの台座に集まった魔術師と英霊達。これが偽りの聖杯戦争であると知りながらー彼らはそれでも、台座の上で踊り続ける。真偽などは彼岸の彼方。聖杯ではなくー他でもない、彼ら自身の信念を通すために。そしてその時、器に満ちるのは偽りか、真実か、それともー。
「電撃文庫MAGAZINE」で好評連載中のユニークすぎる短編が文庫化。死体を探しに行く検死官、対局にペットを連れてくるプロ棋士、勇者を何とかしたい魔王、若頭、サンダーファルコン、ビームサーベル、ライオン、うげげげと喋る牛、電撃文庫の妖精等、変態的(?)な登場人物たちが繰り広げる抱腹絶倒の物語の数々。
水無瀬率いる“水車小屋”の暗躍により、日本とアポストリは一触即発の事態を迎え、居留区は厳戒態勢となる。学は前評議長の娘である星祭を呼び寄せて“十字架”評議会へ送り込み、アポストリ側からの開戦の引き延ばしを図る。そして自らは“水車小屋”を止めるべく東京へ。一方、葉桜は学との関係について思い詰めた様子を見せる。人とアポストリ、学と葉桜、それぞれの関係の緊張が高まっていき、本格的な開戦まで猶予のない中、学はぎりぎりの攻防を繰り広げるがー。はたしてその決着は!?近未来ボーイ・ミーツ・ガール、完結編。
ラパーチェ事件での責を負い評議員候補の資格を剥奪された葉桜は、さらにアポストリ高等法院による監察を受けることになる。しかし、やってきた稻雀と名乗る軍務省憲兵はゴスロリ風の出で立ちをした、どこかとぼけたアポストリだった。そんな折、東京で反アポストリ派議員が暗殺される。裏で〈水車小屋〉が暗躍し、アポストリに対する感情が悪化する中、恵吾や茉莉花の身にも危険が迫る。情勢はきな臭さを増していき、稻雀の監察もある状況で、学は覚悟と決断を迫られる。人間とアポストリ、二つの種族の未来の行方は…。
「やっと会えたー、葉桜」琵琶湖上、アポストリの本拠地である“十字架”付近に浮かぶ多景島。社会科見学でそこを訪れた学と葉桜は金色の髪をした謎の少女と出会う。白夜と名乗る彼女は葉桜の名を呼び、また葉桜もなにか思い当たることがあるようだった。その出会いから葉桜は豹変する。白夜に異常な執着を示し、一方で彼女の存在を周囲から隠そうとする。学はその理由を探ろうとするが、事態は思わぬ方向に転がりはじめー。はたして白夜の正体とは!?第14回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”受賞作第3弾。
アポストリー身体能力と科学技術に優れた、女性だけで構成される異星人。目が赤いほかは、外見的特徴は人間と同じ。琵琶湖周辺は彼らと人間が共存する居留区となっていた。高校二年の南方学は過去に起きたとある出来事からアポストリを憎んでいた。ところが、“共棲”と呼ばれる居留区のシステムに則り、一人のアポストリと同居することになる。彼女の名は、葉桜ー評議長の姪でもある美しい少女だった。二人は激しくぶつかり合うが、その共棲にはある意図が隠されていてー。第14回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”受賞作。