2022年8月25日発売
戦乱の絶えない北の地で、傭兵の息子として生まれたアルマーク。彼は南から来た老人に魔法の才能を見出されるが、傭兵として成長し、幼くして一人前の戦士となる。しかしアルマークの父は、彼に平和な南の地で魔術師となることを望む。父との約束に従い、アルマークは旅に出る。ノルク魔法学院に入学するために。たどり着いた南の学院での暮らしは、北の戦場とはすべてが違っていた。平和な南の国々では魔法が発達し、北の傭兵は蛮族と見なされていた。傭兵の出自を隠さざるを得なかったアルマークは、同級生の少女・ウェンディたちの助けを借りながら、魔術師としての一歩を踏み出す。しかしクラスでは、貴族と平民の間に見えない溝が横たわっていた。アルマークは北の傭兵としての力をもって、クラスメイトたちを、そして学院を変えていくー。彼は、自分が既に闇を巡る長き戦いの渦に巻き込まれていることをまだ知らなかった…。
ノルク魔法学院に入学し、初めての夏を迎えるアルマーク。夏の休暇は多くの生徒たちが実家に帰るが、遠い北の出身であるアルマーク、そして両親が忙しいモーゲンは、休暇中も寮に留まる。そんな二人を、王都の自分の家に遊びに来ないかとウェンディが誘う。休暇前の試験をなんとか突破し、ウェンディを訪ねるのを楽しみにする二人だったが、そんな中、彼女から手紙が届く。家に脅迫文が送りつけられる事件が起き、ウェンディは王都よりさらに北の領地へ逃れることになったため、二人を招待できなくなったという。手紙の中で落ち込むウェンディ、そして残念がるモーゲンを見て、アルマークはたとえ遠くであっても、モーゲンと共にウェンディを訪ねることを決める。しかし道中、王都で二人が耳にしたのは、ウェンディの命を狙う北の傭兵たちの話だった。アルマークとモーゲンは、ウェンディを救うことができるのか…!?
ヒラギスを奪還するため十分な戦力を揃えた人族諸国軍であったが、魔物の戦力は予想を上回り当初から苦戦を強いられていた。このままでは民や兵士に多くの犠牲が出るのではと危機感を募らせたアンの意を汲み、マサルたちは全力での介入を決意し、北へ南へと忙しく活躍していく。そして暇を見つけては剣の修行をやらせようとする剣聖や、冒険者風情とふんぞり返る将軍に苦労しながらも、マサルたちはようやくヒラギスの半分を奪還するに至った。だが、魔物側も黙ってはいない。人族の手に戻ったヒラギスの公都に魔物の大群を集結させ反転攻勢に出たのだ。これにより戦場は総力戦の様相を呈していく。倒しても倒しても尽きない魔物の群れに、広がる戦線。マサルたちでさえ手一杯になり、形勢は悪化の一途を辿る。そして追い込まれたマサルは、これまで触れないできた光魔法の取得に踏み切るのだった。戦場に輝く光魔法は状況打開の突破口となり得るのか!?正念場の第十一幕が開幕する!
不可能と思われた迷宮を完全攻略してさらなる注目を集めるフェイだったが、一方で事件を通じ「正体不明の神」から目をつけられてしまう。そんな最中にメンテナンスも兼ねて参加することになったのは、世界樹を舞台とした超大規模ゲームで、なんと、立ちはだかるのは「神樹の守り手」の連合チーム。複数の神を同時に相手にする緊急事態に、フェイ達もアニータらと共に手探りのゲーム攻略に挑むことになる。その頃、迷宮での事件から「神々の遊び」に干渉する存在を看破したウロボロスは、フェイに興味を持つ他の神とも接触。世界は一人の少年を中心にして、大きく動き出そうとしていたー!
オットーたちに倒され、行方不明になっていたヴェルは『あの世』にいた。そんな自身の状況を掴めていないヴェルの前に亡き師匠アルフレッドが現れ、オットーたちへリベンジするための修行の開始を告げる。先にあの世入りをしていた導師やブランタークは既にヴェルより数段強くなっており、当面ヴェルは彼らに追いつくことが急務となった。この神が介入してくるほどの超法規的措置は、オットーたちが企てていることの危険性を如実に表しており、更にお気に入りであるアルフレッドの弟子や師匠、友人を救ってやろうという恩情でもあり、地上における貴重な駒にするという思惑でもあった。そしてヴェルたちは修行の総仕上げとして、地獄を暴れまわっているという四体のドラゴンを討伐することに。そのドラゴンはヴェルたちが過去に倒したドラゴンたちであり、地獄堕ちしたことにより強力になっているらしい。はたして四人共闘による討伐の行方は…。圧倒的な力を手にし、ヴェルは窮地に立たされている仲間や家族、王国を救うことができるのか!?ヒーローは遅れてやってくる…?胸熱の第二十六幕!
クラスメイトと共に異世界へ転移させられた、高校生の真広桃李。初級職の『鑑定士』であると断じられ、彼を召喚した国から追放されてしまったトウリは、辿り着いた城塞都市グランザウォールで、あらゆる物や事象を解析できる“神眼”の力を使い大活躍!領主のアリーシャたちと共に、トウリはこの世界での生活を楽しんでいた。そんなある日、『賢者』『拳王』の特級職を持つ同級生、円とユリアが新たに追放されてきた。彼女らによると、クラスメイトたちが謎の力により操られ、戦力として利用されようとしているらしい。一行は王へ情報を伝えるべく、王都へ向かうのだがー。「王族にのみ伝わる、特級職をも超える『神を冠する職業』だって…?」伝説級の鑑定スキルの力で、トウリは自由な異世界ライフを守れるか!?規格外の鑑定士が往く王道異世界ファンタジー、第二幕!!
ハロウィンの魔力に惑わされるように恋人同士の温もりを求めた悠太と沙季。表向きは今までと同じ距離感を保ちながらも、その関係の在り方には確かな変化があった。互いの誕生日、サプライズとすり合わせ、クリスマス、初めての年越しと、里帰り。プレゼントや記念日の過ごし方、相手の喜ばせ方に悩みつつ、不器用な二人なりに幸せな道を模索していく。そして、両親や親戚の姿から大人になることや家族の繋がり、恋愛関係のその先…結婚や子どもについても考えさせられ…?これは、兄妹になった二人が過ごす初めての冬の物語。
探偵と助手の目も眩むような冒険譚はかつて上空一万メートルで始まった。依頼人を助け、事件を解決し、強大な敵と戦う、世界を股にかけた旅。それは探偵の死で終わりを迎えた。-だが一年後、終わった筈の物語は一人の少女の激情で再び動き出す。「大丈夫、君塚とあたしたちの願いは全部叶えるよ」「ああ、仲間を助けに旅に出よう」それから俺たちは、世界の深淵に挑み、幾多の戦いを乗り越え、多くの犠牲を払いながらもーやがて奇跡を起こした。全てが終わった今、俺・君塚君彦は、日常という名の後日談に浸っている。それでいいのかって?いいさ、誰に迷惑をかけるわけでもない。だって、そうだろ?探偵はもうー
“夜ごと見る夢を操る力”を手にした少年・ジローの運命は、謎の少女・ユミリとの出会いを経て一変した。天敵だったヤンキー・喜多村トオルとの距離もぐっと縮まる中、ユミリがジローに言い渡したミッションは『四人の美少女を口説く』こと。そんな中、ターゲットのひとりである絶対零度の女王と名高い委員長・氷川アオイが主催する補習講座へ、なぜかジローも参加させられるのだが。そこにはターゲットの美少女が勢揃いしていた。タナボタの状況に戸惑う中、ジローにはアオイとふたりきりになれるシチュエーションが訪れ、さらにはアオイからデートのお誘いまでされてー?夢と現実が浸食しあう暗黒恋愛譚、第二弾!
高良縊想星はどこにでもいる普通の高校生になりたかった。好きで選んだわけではない「仕事」を隠して通う学校で、なぜかクラス一の美少女・白森明日美に告白されて付き合うことに。舞い上がる想星だが、放課後や休日は「仕事」に追われてデートすらなかなかできず、すれ違う二人。そんなある日、想星は「仕事場」で少し不思議な同級生・羊本くちなを目撃する。実は、想星の「仕事」は暗殺者。どうして彼女がこんなところにー絡み合う恋は甘くて苦く、せつなくて、なりたい「普通」は近くて遠い。殺して命を奪う彼と、ふれただけで命を奪う彼女。ちょっぴりダークなラブコメ、開幕。
その大学には、噂がある。『白峰界人』と名乗る怪盗団の存在。依頼内容に納得すれば、彼らはどんなものでも盗み出してくれるという。怪盗団のリーダーを務めるのは、黒森零士。表の顔は大学の「王子」にして、大企業の御曹司。過去の事件の真実を探ることが目的だ。何も知らない貧乏女子大生・赤石満は、ある日そんな怪盗団に祖父の形見のブローチを取り戻してほしいと依頼を出すがー。『探偵・日暮旅人』シリーズ著者が描く痛快ミステリ!
500年を超える悠久の時を生きてきた不死身の床無くん。平成の終わり頃、髪結いを生業とする彼と出会い、一瞬で恋に落ちた真昼は、奇妙な「十の掟」を交わす。それは二人がうまく付き合っていくための大事な約束だという。第一の掟「掟ヲ守ル事」、第二の掟「姓デ呼バヌ事」…。煌めくような日々の経過と共に明かされる掟に秘められた真意と、床無くんが古から見送ってきた幾つもの人生。しかし、第九の掟がもたらしたのは残酷な運命だったー。これは、永遠に残る愛の形。
時は徳川が統べる江戸時代。安倍晴明の血を引く雲雀は、町で噂の陰陽小町。物の記憶を覗ける妖狐の式神、葛忌とともに、父の仕事を手伝い暮らしていた。そんな平穏な日々が、ある日急転する。雲雀はその腕を買われ、将軍吉宗お抱えの陰陽師として大奥の隠密の命を賜ることに。憧れの将軍に仕えることを喜ぶ雲雀。だが、大奥は伏魔殿とも揶揄される女の園。女達の愛憎渦巻く陣中、雲雀と葛忌は「大奥の陰陽師」として、伏魔殿に潜む怪異の正体を暴くため奮闘する。