制作・出演 : アビー・リンカーン
イッツ・ミーイッツ・ミー
大ベテラン、3年ぶりのオリジナル・アルバム。歌いまわしといい声質といい、ビリー・ホリデイが幸福に長生きしたらこうなったかも、と思わせる。つまりめったにない珠玉の歌が聴けるってわけ。全編でピアノを弾くケニー・バロンはもちろん、ジュリアン・ルロも好演。★
ストレート・アヘッドストレート・アヘッド
マックス・ローチの『ウイ・インシスト』発表から半年、ほぼ同じメンバーにエリック・ドルフィーを加えて録音された、なんとも豪華なヴォーカル・アルバム。なんといっても「ブルー・モンク」が最高!
ホウォーリー・アースホウォーリー・アース
パット・メセニーとの共演作に前後して自身の表現世界に一層の深みや穏やかさを加えたアビーの最新録音は、その上にさらに、これまでにない爽快な色香も浮かび上がらせる自然体の快作。ジャズの定義に縛られず、それでいてなお輝くスピリットが眩しい。
ピープル・イン・ミーピープル・イン・ミー
来日したチャンスを捉え録音された日本制作の1枚。バックは同時期に来日してたマイルス・グループの面々と日本人ミュージシャンという構成だ。彼女のユニークな歌唱は少なくともジャズを超越しており、黒人独自の叫び声と言ったらいいだろうか。
フー・ユースト・トゥ・ダンスフー・ユースト・トゥ・ダンス
P.メセニーやC.ヘイデンらとの共演で話題になった『タートルズ・ドリーム』に続くヴァーヴ系6作目。きわめて熟成した歌世界だが、決して停滞しない彼女の姿勢が、再び選曲ほか随所に現れた力作だ。5人のサックス奏者の誠実なサポートも聴きどころ。
タートルズ・ドリームタートルズ・ドリーム
ジャンルを越えた実力派ヴォーカリストとして円熟の境地に達した感のあるアビー・リンカーンの新作は、メセニー以下、豪華な顔ぶれで構成された意欲溢れる内容となった。魂を振り絞るように歌う彼女の姿には、ビリー・ホリデイを思わせる気迫がある。
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