制作・出演 : アーニー・ディフランコ
ジョー・ヘンリーを共同プロデュースに迎え、曲調、演奏ともにじっくりと練られた印象。ユタ・フィリップスとの共演作での路線を、アーバンに展開させたと言えるかも。ファンキーな側面が後退したぶん、ソングライターとしての地力をわかりやすく披露。
前作『イヴォルヴ』(2003年)から一転、今回はエンジニアリングを含め、すべてを彼女ひとりでこなした作品。おまけにライチャス・ベイブも自身のレーベルだ。アタックの強いギターを中心に、デモ・テープ的な“生”感覚に満ちており、ユニークさは相変わらずだ。
唯一無二のシンガー・ソングライター、秀逸な管楽器付きワーキング・バンドとともに録ったスタジオ作。優れた音楽的才能と頭が下がるまっとうな気骨が美しく絡みあう。今、最良のポップ音楽の一つ。CDパッケージングが非常に贅沢。それも、嬉しい。★
95年発表のアルバム。アンディ・ストチャンスキーのドラム以外の楽器をすべて彼女が担当した意欲的な作品。弾き語りもさらに深みを増している。ライヴでの定番曲も多数収録。
98年発表のアルバム。ビルボード・チャートで22位にランク・インした成功作。ホーン・セクションを積極的に取り入れるなど、音楽的な広がりが感じられる作品。
99年発表のアルバム。キーボード奏者を迎え、バンドとしての形態が固まり出している。これまで以上に多彩なサウンドを聴かせるが、もちろん彼女のアコギも素晴らしい。
1年に3作というすさまじい勢いで作品を発表し続ける社会派女性の新作。元プリンスやメイシオ・パーカーの参加につられて買うと“アレ?”かも。しかし、静かでガツンと来る内容だ。音の編み方に対するこだわりは素晴らしく、元プリと仲がいいのも頷ける。
最新アルバム。時にギター1丁でノリノリの“場”を作り上げていくエネルギーには、最近共演したばかりのブラジルのレニーニとの共通項がくっきり。自作品の中で9・11についてここまで冷静、かつ公正に言及したアメリカ人歌手は、彼女が初めてでは。★