音楽むすび | 制作・出演 : タール&グロートホイゼン

2006年のモーツァルト・イヤーに発売され、ドイツでは権威ある“エコー賞”を受賞した3枚のアルバムからの抜粋盤。夫婦デュオとして世界的な名声を得ているタール＆グロートホイゼンの息の合った演奏が楽しめる。

原曲を改変せず、バスの補強とオブリガートの加筆を基本とした編曲。新しい変奏が重なる第16、29変奏と華麗な声部を付加した第22変奏が目立つが、ブゾーニ版「シャコンヌ」のような壮大さはない。とはいえ、当時の硬直したバッハ解釈に活力を与えた知的なアプローチは今なお刺激的。

先ごろ来日したY.タールとA.グロートホイゼンのピアノ・デュオによるベスト盤。息の合い方は申し分ないし、音色的にも調和がとれているため、何も知らずに聴けば一人で弾いていると思う人も多いだろう。これ1枚で連弾の多彩な世界が体験できる。