制作・出演 : フレディ・ケンプ
フレディ・ケンプ・プレイズ・バッハフレディ・ケンプ・プレイズ・バッハ
ケンプ9枚目のCDは、初のバッハ。歴史的奏法にはこだわらず、繊細なロマンティシズムが息づく明澄なパルティータを繰り広げている。拮抗する旋律が醸すフーガの内的緊張感やアルマンドなどでの夢幻的な余韻など、随所に彼の音楽的霊感が冴え渡る。
ベートーヴェン:ピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」ベートーヴェン:ピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」
「悲愴」の冒頭の和音を聴いただけで、独創的! と叫んでしまう。自在なペダリング、思いきり揺らぐテンポ……と書くと、異端的に感じるかもしれないが、音楽の表情はとてもロマンティック。伝統を引きずりながら先端を走る面白さ。そこがフレディの新しさ。
ショパン:24の練習曲ショパン:24の練習曲
フレディ・ケンプの、『バラード集』に続くショパン・アルバム。2004年の来日に合わせての発売。明確なタッチ、際立つリズム感など、若さが充溢した溌剌とした演奏だ。
フレディ・ケンプ・プレイズ・プロコフィエフフレディ・ケンプ・プレイズ・プロコフィエフ
フレディ・ケンプのテクニックが生かされた作品集。「トッカータ」は、勢いのあるの爽快な演奏。ソナタにおける特徴的なリズムの処理やメカニカルな抒情など、聴きどころの多いアルバム。
チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」 ラフマニノフ:悲歌的三重奏曲第1番チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲「偉大な芸術家の思い出」 ラフマニノフ:悲歌的三重奏曲第1番
ケンプ・トリオのデビュー盤。名手揃い(たとえばチェリストは2002年のチャイコフスキー・コンクールで入賞したばかり)で、隙のない緻密なアンサンブルを聴かせている。三者のバランスの取り方への配慮は絶妙で、主張とサポートの役割分担も見事。
フレディ・ケンプ・プレイズ・シューマンフレディ・ケンプ・プレイズ・シューマン
98年のチャイコフスキー・コンクールで第3位に入賞したF.ケンプの、本格的なデビュー盤。音の立ち上がりが鮮やかで、リズムの切れ味が鋭く、爽快な印象を与える演奏である。若さにあふれ、瑞々しいが、22歳とは思えない深みのある表現も散見される。
PREV1NEXT