制作・出演 : 和田アキ子
1996年の(1)から、80年リリースの(11)まで年代順にならべられた主題歌〜タイアップ・ソング集。「ポンキッキーズ」の(2)や「アッコにおまかせ!」の(9)など、ノヴェルティ色の強いものから余裕の歌唱だ。そりゃ、和田アキ子だもの。ゆるがない芸風がグレート。
レゲエ調の「上を向いて歩こう」は妙にはまっている。和田アキ子のヴォーカルがはたして“R&B”であるか否かは別にして、日本のポップスのカヴァー集のこのアルバムは、楽曲を踏みつぶすきらいのあった彼女が活路をみつけたといえる内容。
いかにも歌っていると思わせるタイプの説得力のある歌手のひとりが和田アキ子だ。かすれてきた歌声をうまく生かした新曲(1)や(2)を含むベスト盤。キャリアを積んできた歌手ならではの歌い込みの一方で、妙に安定して面白味が不足と、聴き手の欲深さが出る。
68年にRCAから「星空の孤独」でデビューして25年になる和田アキ子のCD10枚組ボックスだ。70年代の彼女の歌声はアク抜き前のゴボウのようであり、粗いが骨太だった。それが魅力であったが、必然として70年代後半から徐々に洗練されていき、歌を転がす歌唱へと変化していく。あのひばり嬢にもそんな時期があったように。ちらっと見せる女の業の悲しさを堂々と歌えるひとです。
おなじみ和田アキ子のベスト盤。内容は、現在から過去へとタイム・スリップするシングル集で、通常の順列パターンとはまったく逆の展開。リミックス盤が醸し出すオドロキとは趣が違う新しい発見がここにある。
1968年から1988年の20年間にわたる和田アキ子のベスト全曲集。巷では“ゴッド姉ちゃん”などと呼ばれてた事もあるくらい、とても強く見られてしまいがちなのだが、実はものすごく心の暖かい優しい人だということが再確認できそうな1枚。
デビューから4半世紀といえば自他共に認める大ベテラン。確かに彼女の歌からは、そんじょそこいらのヒヨッコたちには真似のできない存在感が感じられる。ただ、ときどきその重さが負担に思えることもある。これだけキッチリと押してこられると貫禄負けか。
後藤次利がアレンジの(5)、未発表ヴァージョンがカッコいいんです。(14)以降の60〜70年代のディープな歌謡世界もクラクラする。芸能ネタがクローズアップされがちだった和田アキ子だが本当に歌はうまい。ちなみに(18)は1968年のデビュー曲。