音楽むすび | 制作・出演 : 大西順子

2009年に11年ぶりの新作で旧来からのファンを喜ばせた大西が、ユニバーサルに移籍して早くも発表した2010年作。ハーリン・ライリーらお馴染のメンバーとともに制作した、品質保証付きアルバムだ。

11年ぶりのリーダー作。エリック・ドルフィーの曲も取り上げていて、それらの演奏での斬新なアプローチと型にとらわれないで自在にスウィングした姿は完全復活の証左だ。しかも、鋭い音への感覚、集中力は健在。そのうえ、本作の音楽には以前と異なる奥行きと味わいが感じられる。

いかにもパーカー派らしいウッズの、ハートがこもった切れ味あるアルト・サックスを楽しめる。そして、大西もウッズやカーターという大物相手に健闘。でも、ちょっぴり、こぢんまりとした演奏に感じるところがあった。なぜだろう。筆者の体調のせいかも。