制作・出演 : 天満敦子
特にフランクが凄い。天満のソロは深く呼吸するような壮大な構成であり、テンポは自在に変化し、人の心を鷲づかみにするような強い音はまさに圧巻。これは聴きものである。フォーレのソナタも逸品だが、小品はさらに良い出来。ピアニストも共感を持って弾ききる。
天満敦子は、年間100回を超えるコンサートの半数以上が無伴奏だという。このアルバムを聴けばそのことがわかる。情感たっぷりに歌い上げる彼女の演奏に伴奏は必要じゃないよ。というか、無伴奏では、思いっきり感情を込めて表現できるからだねえ。ファンには堪らんだろうなあ。
発売元
キングレコード株式会社小林亜星の作と編曲作品を天満敦子が思い入れたっぷりに弾いたアルバム。小林の曲はもちろん、編曲もわかりやすい。基本は“歌”。残響をつけて、BGM的雰囲気に作っている。天満は、ヴァイオリンの美しい音色を最大限活かしながら、情感込めてうたっている。
ベストセラーとなった企画の第2弾。今回もファンにはたまらないアルバムだ。彼女が“旦那”と呼ぶストラディヴァリウスを独特の弓さばきで思うように鳴らしながら、情念すら感じさせる音楽性メロディを歌いあげていく。出しゃばらないオルガンの音色と演奏が心憎い。
説教節あるいは韓国のパンソリのごとく、情の高まりにつれて響きがざらと倍音を孕んで凄味を増す。エルガーの濃密な官能も驚きだが、絶品はヴェラチーニ。バロックの簡潔な枠組みの中、奔放に燃え立つ一歩手前で情感を溜める、ぎりぎりの切迫感がたまらない。
最初の曲が始まってすぐにその強烈な躍動感にまず驚く。ユニークな「ユモレスク」、思い切り甘えたようなドルドラの「思い出」、中間部が面白いブラームスのハンガリー舞曲、濃厚なサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」などなど、天満の個性が満開である。
パイプ・オルガンの包容力あふれる響きが、沈潜するヴァイオリンの音色を優しく包む。しかし、なぜか日本を強く感じる音風景。このアルバムの意図は、この風景を実現せしめることにあったに違いない。「アヴェ・マリア」のクライマックスがここまで胸に迫るとは。★
以前話題をよんだバラードをデュオとソロで前後に配し、濃密に迸るウタを様式を超えて全編横溢させる天満ならではの名曲集。深々としたたゆたいから、瞬時響きを荒げてカッと情が走るその音の姿を、デジタル世代のフトコロは受けきれるか。ヴィターリが圧巻。
天満敦子が「北の宿から」「涙そうそう」などの日本の楽曲(小林亜星による新曲3曲を含む)を収めたアルバム。ノスタルジックなメロディを丹念かつ情感豊かに歌い上げており、しっとりとした日本の抒情がしみじみと心に沁み渡ってくる。アレンジも秀逸。
満を持しての無伴奏。テンポはゆっくりとしていて、じっくりと弾きこんでいる。最近のバッハ演奏とは一線を画したオーソドックスなもので、音の伸ばし方やヴィブラートなど、ロマンティックなものだ。どこをとっても天満のバッハが横溢した、ファン感涙ものの演奏。