制作・出演 : 鈴木秀美
日本における古楽演奏の先駆者かつ第一人者でもある有田正広の、モダン・フルートによるバッハという、意欲的で刺激に満ちた一枚。楽器の持つ機能性と古楽奏法のバランスが絶妙な、新たなバッハが提示されている。
メンデルスゾーンも良かったけれど、このショパンも素晴らしい。鈴木秀美のチェロは、もちろんうまくて文句はないが、平井千絵のピアノが素晴らしく美しい。楽器や録音のせいもあろうが、フォルテピアノの特性を血肉と化したかのようだ。文句なしの一枚。★
楽器で選ぶヒーリング・ミュージック・シリーズ第1弾。バッハ、サン=サーンスやガーシュウィンのゆったりしたメロディを、ハーノイ、鈴木秀美などの名演奏で。優しい低音に癒される一枚だ。
鈴木秀美が期待のフォルテピアニスト平井千絵と組んでの、比較的珍しいメンデルスゾーンの作品集。メンデルスゾーンのロマンティシズムと古典性を、オリジナル楽器と吟味しつくした奏法とで再現している。
ヒット・コンピレーションの続編は、究極の癒しを狙った「無伴奏」オン・パレード。時々チェンバロ曲が現れてムードを引き締めてくれはするが、基本的にはのったり自由テンポのα波出まくりな世界。ほぼ確実な入眠を誘うこの内容、偉いのはバッハか企画者か。
ラ・プティット・バンドの首席チェリストで、ソリストとしてもヨーロッパと日本で活躍中だった、鈴木秀美の第1回目の録音。91年以来取り組んできた無伴奏組曲の、総括的演奏ともいえる録音。
何と柔らかい響きなのだろうか。ピリオド楽器とは思えぬような豊かで温かみのある音色を芳醇に立ちのぼらせ、響きの余韻をいつくしむようにしなやかな表現で滔々と歌いこむ。清楚でありながら優美さが全体に漂う鈴木の個性と美質が際立ったバッハだ。
ガット弦にエンドピン付きのチェロとエラール・ピアノ、鈴木と小島の熟成のデュオは“歴史的”の接頭語を寄せ付けないほどに生き生きと演じている。19世紀末に書かれた小品を中心に集められた選曲は誰の耳にもごまかしの聴かないチョイスゆえ、何とも意欲的。