音楽むすび | ザ・レガシー・オブ・シ〜SHIの伝承

ザ・レガシー・オブ・シ〜SHIの伝承

ザ・レガシー・オブ・シ〜SHIの伝承

フランスからやって来た日本マニア、ライズ・オブ・ザ・ノーススター。
バンド名はもちろん『北斗の拳』から。学ランに身を包み、メタル、ラップ、ハードコア、
そしてマンガのクロスオーヴァーを聴かせる彼らのセカンド・アルバム、『ザ・レガシー・オブ・シ〜SHIの伝承』ついにリリース!

フランス産クロスオーヴァー・バンド、ライズ・オブ・ザ・ノーススター。クロスオーヴァーと一口にいっても、いろいろなスタイルがある。
だが、メタルとラップ、ハードコア・パンク、そしてマンガをクロスオーヴァーしているのは、世界広しと言えど、
ライズ・オブ・ザ・ノーススターくらいのものだろう!

ライズ・オブ・ザ・ノーススターは、「日本のマンガにインスピレーションを受けたフランスの若者5人がアメリカの音楽をプレイする」という
コンセプトで、2008年に結成された。メンバー全員が学ランに身を包み、歌詞のあちこちに日本のマンガネタがちりばめられている。
そもそもバンド名からして『北斗の拳』なのだから、これはとても他人事ではない。ちなみに学ランスタイルは、『スラムダンク』や
『ルーキーズ』からのインスパイアなのだそう。デモやEPをいくつかリリースしたのち、14年に『Welcame』でアルバム・デビュー。
メタルやハードコアの作品とは思えないアニメ・アートワーク、そして「暴走族」なんていう横浜銀蠅でもつけないであろう直球すぎる
曲名のインパクトはあまりに強烈。ここ日本でも、ライズ・オブ・ザ・ノーススター・マニアは増殖していった。

そしてこのたび4年ぶりとなるセカンド・アルバム『ザ・レガシー・オブ・シ〜SHIの伝承』がリリースされる。
ちなみにこの『SHIの伝承』という邦題は、日本側でつけたものではない。アルバム・タイトルはもちろん、すべての曲に、
あらかじめ邦題がついているのだ!「『SHI』って何なんだよ。漢字で書かなきゃ意味がわからないじゃないか!」と思ったあなたは正しい。
「SHI」は士であり、師、四、死、詩、いずれでもあるのだから。ライズ・オブ・ザ・ノーススターは、「SHI」という言葉に複数の意味があることを
きちんと理解した上で、これを利用するために、あえてアルファベット表記にしているのだ。その解釈は、リスナー次第。そしてまた「SHI」とは、
本作品のストーリーの中心となるキャラクターの名前でもある。そう、『SHIの伝承』はコンセプト・アルバムなのだ。
「SHI」というサムライ(士)に憑依されたヴォーカリストのヴィティア。架空のキャラクターとヴィティアの実人生が交錯し、
アルバムのストーリーは展開していく。もちろん『北斗の拳』、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険ー』、『ドラゴンボール』など、
おなじみのマンガからの引用も、随所にちりばめられている。

その風貌やイメージだけで、ライズ・オブ・ザ・ノーススターをただのイロモノ・バンドだなんて思ったら大間違いだ。
その実力は、Agnostic FrontやMadballといった、ガチガチのニューヨーク・ハードコア勢がお墨付きを与えるほど。
今回の『SHIの伝承』も、「音作りにとにかく時間をかけた」とヴィティアが豪語するだけあり、とにかくヘヴィでグルーヴィーでダークな
クロスオーヴァー・サウンドに仕上がっている。バイオハザードに初期マシンヘッド、スリップノットのようなエクストリームなサウンドに、
ウータン・クランのようなラップを掛け合わせ、さらに日本の熱血マンガの世界観を混ぜ合わせた本格派。それがライズ・オブ・ザ・ノーススターだ。

日本が大好きな彼らは、Japan Expo2016を含め、すでに何度も来日済み。東日本大震災後には、「Phoenix」という震災チャリティ曲まで発表している。
ライズ・オブ・ザ・ノーススターは、ここ日本でこそもっともっと知られるべきバンド。ぜひ『SHIの伝承』を通じ、
その独自の世界を体験してみて欲しい。

【メンバー】
ヴィティア(ヴォーカル)
エヴァーB( ギター)
エール・ワン(ギター)
ファビュラス・ファブ (ベース)
ファントム (ドラムス)

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