ベートーヴェン "ハンマークラヴィーアソナタ"と初期の"グランドソナタ"第11番
園田高弘が充実した活動を見せている。シリーズ第5弾は、ハンマークラヴィーアと11番。力の入った解説を書いているが、演奏の方に不必要な力みや、じゃまな思い入れはまったく感じさせない。ひたすら作品を読み解いていった結果として感動的な音楽となる。
関連音楽
ベートーヴェン ピアノソナタ第15番「田園」「エロイカ」の主題による変奏曲とフーガ 自作の主題のよる6つの変奏曲ベートーヴェン ピアノソナタ第15番「田園」「エロイカ」の主題による変奏曲とフーガ 自作の主題のよる6つの変奏曲
2回目のソナタ全曲録音は、それだけでもなかなかの偉業。15番のソナタは、真正面からアプローチして、かっちりと引き上げている。一方、カップリングの2つの変奏曲は、多少の余裕というか、遊びがあって、それが彼の違う一面をのぞかせて楽しい。 1994/10/21 発売
ベートーヴェン 最後の三つのソナタ 第三十番・三十一番・三十二番ベートーヴェン 最後の三つのソナタ 第三十番・三十一番・三十二番
雄大なスケールで描くアレグロ楽章、ゆったりと歩を進めるような深々としたアダージョ。園田の弾く32番はまさに巨匠然とした音楽といえよう。フレーズのつなぎはあくまでデリケートで、独自の間を感じさせるあたり、日本人でなければできない感性だ。 1995/09/21 発売