1999年6月発売
ソロとしてはおそらく3作目となるアルバム。後年の作品では変拍子ジャズ・ロック的なアプローチも目立つパスコアールだが、この作品ではアイアート夫妻の参加もあり、初期リターン・トゥ・フォーエヴァー的なブラジリアン・ジャズ・サウンドを聴かせる。
70年代にオブリヴィオン・エクスプレスというフュージョン系グループを結成、活躍していたピアノ/オルガン奏者ブライアン・オーガーが元メンバー、ジュリーを迎え制作した作品。アル・ジャロウ、アニマルズなど選曲が幅広い。名盤探検隊に相応しい一枚。
ブラジル出身のギター・デュオ、アサド兄弟のピアソラ。ギター2台というミニマムなアンサンブルによるタンゴは寸分の無駄もないソリッドな世界を作り出している。(1)はアサド兄弟に献呈された作品。数多あるピアソラ・アルバムのなかでも白眉の1枚。
ドイツ出身三人組ユニットのサード・アルバム。クールなバック・トラックとディープな女性ヴォーカルで描く心象風景は、ソウル、フォーク、ネオアコなど多彩なバック・グラウンドを反映しつつも見事に統一されたサウンド・カラーとオリジナリティを放つ。
カントリー・シンガー、ドワイヨ・ヨーカムのヒット曲集。彼の名曲の数々が聴けるのはさることながら、新曲が3曲、ボーナス・トラックが2曲も収録されている。“GAP”のCMソングの(14)は、ダンサブルなロカビリー・ナンバーで、思わず楽しくなる。
ベートーヴェンの連作歌曲集「はるかな恋人に」に、同時代の忘れられた作曲家ラッハナーとクルフトの歌曲を配した鋭い選曲。古典派から初期ロマン派へと移っていくリートの世界を描き出してみせる。過度の情緒を廃して、歌の意味の核を追求する名演。★
園田高弘のショパン第5集は、70歳にして全曲録音したエチュード集。彼が大切に培った演奏スタイルとショパン解釈を何が何でも伝えたいという強い意欲を反映し、作品の音楽的内容の深さを、説得力をもって表現した演奏。彼の解説とエッセイも興味深い。