著者 : アルベルト・モラヴィア
マイトレイ/軽蔑マイトレイ/軽蔑
タブーを超えて惹かれ合う若き男女の悦楽の神話。瑞々しい大気、木に宿る生命、黄褐色の肌、足と足の交歓。インドの大地に身をゆだねた若き技師が、下宿先の少女と恋に落ちる。作者自身の体験をもとに綴られる官能の物語(『マイトレイ』)。ある日突然、妻の心変わりを察した劇作家志望の男。繕うすべもなく崩れていく夫婦の関係を夫の目から緻密に描き、人生の矛盾と人間の深い孤独を問いかけるイタリア文学の傑作(『軽蔑』)。愛の豊饒と愛の不毛。透徹した知性がつむぎだす赤裸々な男女の関係。
無関心な人びと(下)無関心な人びと(下)
リーザやマリーアグラツィアが発散する中年女性の倦怠の気配。彼女らとレーオとの爛れた関係。レーオは母親から娘カルラに関心を移し、しかもアルデンゴ家の財産一切をわがものにしようと企んでいる。そのすべてが分りながら、何もできない青年ミケーレの絶望。
黒マントの女黒マントの女
1年以上もセックスを拒んだまま、妻は死んだ。妻の面影を追い続ける男は、たまらない孤独をふり払うために旅立った。そして、カプリ、夢に見た、妻そっくりの黒マントの女に出会った。妻との初めてのセックスを思い描きながら、男はその夜、女を待った…。現代最高の作家モラヴィアが描く究極の性の深淵。世界をスキャンダラスな話題に巻き込んだ期待の短篇集。
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