著者 : アーヴィング・ウォレス
19世紀なかば、フランスの田舎町ルルドの娘ベルナデットの前に、聖母マリアが姿を現わした。その場所からは泉がわき、水浴をした者たちの病いが癒えるという事態が続発。こうしてルルドは、宗教界・科学界ともに認める「奇蹟の地」となり、ベルナデットは聖人に列せられたーそして、現代。ベルナデットが遺した日記が発見された。そこには、驚くべき記述があった。聖母マリアが、もう一度この地に姿を現わすと言い残していたのだ。しかも、その期限は、まさにいま、この時なのだ。
「聖母マリアがルルドにふたたび現われる」教皇庁の発表は、世界に大きな衝撃をもたらした。かくて、各国から多様な人びとがルルドへ集まってくる。病いを克服しようとひたすら願う女性。奇蹟のために手術を放棄した男と、それを止めようとする婚約者。権力の座を目前に死を宣告され、奇蹟にすがる政治家。記者生命をかけてルルドの嘘を暴こうとする特派員。そして、大義のために聖地破壊をもくろむ革命家…超ベストセラー作家が壮大な構想で贈る『イエスの古文書』と並ぶ歴史サスペンス大作。
ー米大統領アンダーウッドはTVの元ニュースアンカーマン。ファーストレディは元ミス・アメリカ。一見、夢のようなカップルだが、私生活は冷えきっていた。そこへアジアの島国ランパンから若く美しい未亡人大統領が経済援助を求めて訪米。初対面でアクダーウッドは彼女に一目ぼれした。だが、それをマスコミに嗅ぎつけられ…。-大統領同士のラブロマンスと国際的な謀略。小説の名手がホワイトハウスの内幕を描いた痛快ノベル。
早漏、インポテンツ、腟痙攣ーこれらを完治させるという、フリーバーグ医師の治療法ーそれははたして「売春」か、それとも悩める男女への「福音」か?性治療訓練士と呼ばれる専門家が、医師の指導のもと、愛撫その他を通じ文字通り患者に接するこの治療法、密室でおこなわれていることもあり、そのため、姿を変えた売春の疑いありとして、いくつかの州では禁止されてもいた。さて、日頃から道徳の頽廃を糾弾する牧師スクラフィールドは、一躍名を上げんものとフリーバーグの性治療への攻撃を開始した。この騒ぎに巻き込まれ、地方検事、性治療訓練士や患者たちは右往左往する。はたして正義の女神は誰に微笑むのだろうか?百発百中のベストセラー作家ウォーレスが性に悩む全ての人々に送る、愛と感動のエンターテインメント。
風薫る初夏のパリ。今ここで核軍縮を目ざす東西五大国サミットが開かれようとしていた。続々と到着する各国代表団、そして報道陣。その中に四人の男女の姿があった。ケネディ暗殺は東側の陰謀と確信する元花形記者ドイル。無能の烙印を押されたアーンショウ前大統領。スキャンダルで国を追われたダンサー、メドラ。機密漏洩の疑いで職を解かれた元軍縮専門家ブレナン。地位も名誉も失った彼らは、再起を賭けてパリに集まったのだ。だが、そこで待ち受けていたのは、世界平和を脅かす恐るべき陰謀だった!圧倒的迫力で描く超大型国際謀略小説。
ソビエトの外交官ロストフは、ブレナンの潔白を証明できる人物だった。元記者ドイルの協力を得て、ロストフに接近を謀るブレナンは、偶然ジョー・ピートと名乗るアメリカ青年に出会う。ピートは、かつてソビエト政府当局と問題を起こしたことがあった。その彼がなぜ、パリにいるのか?国交断絶状態にあるはずのソビエトと中国が接近中との情報を得たブレナンは、メドラの友人を介してピートの正体を暴こうとするが…。当代屈指のストーリーテラーが、サミットをめぐる多彩な人間模様と、その陰で秘かに進行する戦慄の計画を描く画期的大作。
KGBに命を狙われたブレナンは、陰謀の存在を確信した。ソビエトと中国のタカ派が手を結び、軍縮交渉を反古にしようと狙っているのだ。アーンショウ前大統領の証言をもそれを裏付けた。だが、彼らはこのサミットで何を企てているのか?折しもサミットは大詰めを迎え、ヴェルサイユ宮殿では華麗な宴が開かれようとしていたー。