著者 : イーヴリン・アンソニ
死の床にある父に古びた十字架を示され、これをジュネーブに亡命中の元ソ連反体制指導者、ウォルコフ教授に渡してほしい、と遺言されたルーシー。ロシア革命時に破壊されたと思われていたその十字架は、ウクライナ人にとっては指導者の証であるという。ジュネーブへ飛びウォルコフに会ったルーシーには、思いがけない運命が待ち受けていた…。ソ連邦崩壊を背景に描くサスペンス。
戦場で出会い、熱い恋に落ちたスティーブンとアンジェラ。身篭ったアンジェラだが、彼がマフィアの跡継ぎであることを知り、秘かに帰国した。数年後、ファミリーの指導者となったものの、妻クララとの不毛な結婚生活に疲れ果てていたスティーブンは、死んだと思っていたアンジェラと再会し、彼女との愛に生きることを決意する。裏切られたクララは、幸せな二人を追い始める…。
女性として初めて、英国秘密情報部の長官に昇りつめたダビナ・グレアムは、恋人と訪れたベニスで、アメリカの国防長官の爆殺事件に遭遇した。続いて、パリとワルシャワでも要人の暗殺が発生。恋人の裏切りに遇い、部内の権力闘争に晒される中、ダビナは秘密のベールに包まれた組織に迫る…。権謀渦巻く壮絶な情報戦をしたたかに生き抜く一人の女性の姿を描いた、シリーズ完結編。
ソ連の2重スパイはもう1人いたのだ、それも上層部にー。英国秘密情報部員ダビナの疑惑は、数年前の工作で逮捕した元部員の2重スパイの尋問によって確信に変った。彼ひとりではなかったのだ。疑心暗鬼となった上層部の妨害とKGBの不穏な動きの中、ダビナは情報部を辞職したと偽装し、独自の調査を開始する。情報戦の中の愛と野望を描く迫真のサスペンス。シリーズ第3作。
KGB大佐ササノフの亡命を成功させ、彼と結婚したダビナ。が、2人の居所を突き止めたKGBによってササノフは爆殺される。傷心のダビナはSISに戻り、報復を決意。折も折、アメリカ政府高官の妻が、ワシントンのイギリス大使館に駆け込み、夫はKGBのスパイだと訴えるという事件が起こる。彼女の学友だったダビナは相棒のロマックスとワシントンへ飛んだ。シリーズ第2作。
英国秘密情報部員ダビナは、亡命したKGB大佐ササノフの尋問を任された。婚約者を美貌の妹に奪われた過去を持つダビナだが、誠実なササノフに惹かれ、二人は結ばれた。ササノフは残してきた家族の救出を条件に機密を明かすと約束する。救出作戦のためにソ連に潜入したダビナの周りに裏切者の影がー過酷な情報戦を生きる女性を描いた、新しいスパイ小説の誕生。シリーズ第1作。