著者 : ジョン・J.ナンス
ロッキー山脈上空。130名の乗客と乗務員を乗せたエアブリッジ90便の機内放送は、ハイジャックの発生を告げた。要求はある少女殺害犯の逮捕と起訴。当局が迅速に要求を満たさなければ、機は爆破されるー。交渉役を命じられたFBI女性捜査官キャットは、実業家の自家用ジェットで追尾するが、ハイジャッカーの正体は想像を絶するものだった。激情と絶望が交錯する高空の対決。
キャットは人質となり、ジャックされた737に乗りこむ。説得交渉に努める彼女は、動機となった少女殺害事件の真相を察知し始めていた。殺害犯不起訴の元凶と名指しされた乗客の司法長官候補をめぐって機内は不穏な空気に包まれ、地上の対応の遅れがハイジャッカーを極限まで苛立たせる。キャットは携帯電話とノートパソコンを頼りに、限られた時間に挑む。そして戦慄の結末へ。
未曾有のハリケーンが接近するなかスコットエア社の727は離陸した。だが、誤って積みこまれたパレットには、ある原子物理学者の怨念がこめられていた。熱核爆弾の爆発とともに強大な電磁パルスが発生し、合衆国のあらゆる電子回路を破壊するメデューサ兵器ー残された時間は三時間半弱。運命を背負った五名の絶望的な飛行が幕を開けた。『着陸拒否』を凌ぐ迫真の航空パニック巨編
爆発の刻限まで一時間半を切った。国家と国民の運命を憂慮する大統領を尻目に、FBIはヴィヴィアンの拘束に血道を上げ、ペンタゴンと軍部は研究を目的としてメデューサ兵器回収の道を探る。地上の思惑が入り乱れるなか、機上の五名は離れ業にも近い解決策に思いいたった。時間の制約と想像を絶するハリケーンの猛威。苛酷な条件の下で、運命に翻弄された727は最後の賭けに出る。
フランクフルトを発ったクワンタム航空66便のホランド機長は絶句した。心臓発作の急患を乗せたジャンボの緊急着陸が拒否されたのだ。患者があるウィルスに感染しているというのが理由で、管制との交信がCNNにすっぱ抜かれると、欧州各国は次次と66便を拒絶。そしてCIAの副長官ロスは66便をある陰謀に利用する…。
暴風雨に襲われたカンザス・シティ空港。乗客を乗せた最新鋭のハイテク旅客機が着陸に失敗、離陸を待っていた別の旅客機と衝突した。事故機には極右で知られる議員も乗っており、破壊工作の疑いもある。国家運輸安全委員会の主任調査官ウォーリングフォードは即座に現地に飛び、操縦ミス、天候など各方向から事故の分析を開始。だが原因究明に必要なヴォイス・レコーダーは、いくら探しても残骸から発見できなかった。
ハイテク機の操縦システムは強力な電磁波を受けると誤動作を起こす弱点があった。事故当時、現場には空軍の高性能レーダーがあったが、惨事直後、強引に持ち去られていた。このレーダーが事故の原因なのか。一方、ついに発見されたヴォイス・レコーダーにより、事故直前の機長と副操縦士の緊迫したやりとりが明らかになるが…。航空機事故の権威がハイテク化の進む民間航空の最前線に潜む危険を描破したベストセラー。
湾岸戦争の戦塵もまだおさまらぬころ、特殊部隊員を乗せた輸送機がサウジを飛び立った。彼らの任務はイラクの研究所を急襲し、恐るべき生物兵器を破壊することだった。ウェスターマン大佐率いる輸送機はイラクに進入、闇をついて砂漠の道路に着陸する。だが、特殊部隊が研究所に突入してみると、生物兵器の容器二つが持ち去られていた。しかも撤収のため飛び立った輸送機を思わぬ事態が襲う。見せ場連続の傑作冒険小説。