著者 : マイクル・アレグレット
欲望の石欲望の石
20年前の宝石店襲撃事件で強奪された宝石を探し出すのに協力してくれ-私立探偵ロマックスは、同業者フォンテーンの雲をつかむような申し出をにべもなく断わった。だがこれから事件の関係者と会うといって去っていったフォンテーンは、翌日、拷問され、額を撃ちぬかれた死体となって発見された。罪の意識を感じたロマックス、過去に埋もれていた事件を掘り返してみた。強盗団の一味はアイダホ・スプリングズの山中に逃げ込み、そこで仲間割れを起こして、血なまぐさい殺しあいを繰り広げたのだった。以来、宝石は行方不明となり、ただ一人逮捕された男も、一貫して事件との関わりを否定してきた。巨額の宝石をめぐって愛と欲望が錯綜するなか、デンバーの探偵ロマックスが過去に秘められれた真相に迫る。
岩場の死岩場の死
私立探偵ジェイコブ・ロマックスのもとにデンバーの石油業者フィリップ・タウンゼンドの弁護士が電話をかけてきたのは、タウンゼンドが車ごとロッキーの岩場に転落して死亡してから6週間後のことだった。事故死の判定にどうしても納得しない未亡人を満足させるために、再調査をしてほしいという依頼だった。確かにロマックスが調べてみると、ひっかかる点がいくつかあった。タウンゼンドの私生活を洗いはじめたロマックスは、一本のビデオ・テープを発見した。そしてそこには、まだあどけなさの残る少女を犯すタウンゼンドの姿が写っていた。誠実な夫、優しい父親、真面目なビジネスマンの下にロマックスが見たもうひとつの顔とは?ロッキーの大自然に囲まれた町デンバーに知性派探偵ジェイコブ・ロマックス初登場。PWA新人賞受賞作。
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