著者 : リチャード・バウカー
上院議員(上)上院議員(上)
それはオコナー上院議員にとって、再選をかけた選挙戦のさなかの出来事だった。雑誌記者である愛人が自宅アパートで殺害され、しかも自らがその第一発見者となる。死亡推定時刻、折悪しくある人物と密かに接触していたために、アリバイは成立しなかった…。弁護士を経て政界に入り、つねに前進をつづけてきた議員。事件は思いがけず、人生の綻びを浮かびあがらせることになる。
上院議員(下)上院議員(下)
毎朝、今日こそ逮捕されるという思いで目が覚める。選挙戦がいかに苛酷であろうとも、絶えず心をよぎる。彼女は本当に愛してくれていただろうか。殺人の真相を掴みたい上院議員は、やがて自分とその周囲の人間を見つめ直すことこそ避けて通れない道であると気づく。見えていなかった過去、目を背けていた現実。単なる政治家の枠を超えて理想を追い求める男を巧みに描いた物語。
約束の土地約束の土地
時は未来。限定核戦争後の米国で一人の青年が私立探偵の看板を掲げた。待望の依頼人が現われたのは、うすら寒い十二月のある日。持ちこまれたのはとてつもなく風変わりな内容の相談だった。自らをさる生物学者のクローンと信じる依頼人は、その生物学上の父親を捜し出したいというのだ…。夢と現実の狭間に揺れる若者の葛藤、そして成長。胸がつまる青春ハードボイルドの逸品。
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