著者 : 上戸亮
血風舞い散るガンガルガ要塞攻防戦。六つの列強国からなる連合軍と共に魔王軍と戦っていたロメリアだったが、魔王軍の苛烈な反撃により連合軍は敗北。撤退を余儀なくされた。しかし、唯一の退路であった橋を味方の手によって爆破され、多くの兵士が逃げ道を失い敵地に取り残されてしまった。そこへ押し寄せる魔王軍。ロメリアの活躍により一時撃退することに成功したが、彼女は負傷し意識を失うー。一方、魔王軍の本拠地ローバーンでは、書庫に籠っていたガリオスがついに動き始める。風雲急を告げるガンガルガ要塞攻防戦。連合軍とロメリアの運命やいかに?
アンリ王の死から二年ー。人類最強国と目されるヒューリオン王国の号令により、打倒魔王軍を掲げる連合軍が結成された。連合軍には連合の盟主であるヒューリオン王国を筆頭に、名だたる列強国が参加を表明する。ライオネル王国も連合軍に加わり、聖女となったロメリアが「ロメリア二十騎士」を率いて、魔王軍に支配された難攻不落のガンガルガ要塞攻略に挑む。だが、一致団結すべき連合軍は、保身と打算、歴史的な困縁からくる対抗心、そして手柄の奪い合いが横行して足並みが揃わない。さらに連合各国は、ロメリアのことを成り上がりで「聖女」になった女と見下しており、全く相手にしようとしなかった…。
魔王ゼルギスを倒してから三年後ー。ロメリア達は戦いを続け、たくましく成長していた。各地で転戦を続けるロメリア騎士団は、魔王軍残党の一掃を目前としていた。だが、魔王軍が拠点を置くローバーンでは、特務参謀のギャミが魔王の実弟ガリオスと共に、新たに策謀を開始する…。一方、アンリ王と結婚し、王妃となり二児の母となった聖女エリザベート。だが、政敵の存在に彼女の心の休まる日はなかった。そんなある日、王国に新たな魔王軍襲来の急報が入る。南と東に現れた魔王軍に対処するため、アンリ王が南へ、エリザベートが東へ向かう。エリザベートが向かった東ではロメリアが魔王軍と交戦していた…。