著者 : 中山宥
1880年、“ニューヨーク・ヘラルド”唯一の女性記者であるエリザベスは、血を抜かれて、ミイラのように布に包まれた女性の遺体を発見する。社交界担当から犯罪担当の記者へと転身した彼女は、ニューヨークの暗部を探る調査を始める。新たな遺体が発見される度に、エリザベスの書いた記事はニューヨークの富豪や有力者たちを巻き込んで話題となるが、連続殺人犯も記事を読んでいるようで、彼女を嘲笑うかのように犯行を重ねていく。愛する家族にも危険が迫るなか、犯人の正体に思い当たったエリザベスだったが…
見えない死の恐怖が襲いかかる。自粛要請、医療破綻、都市封鎖、地方への脱出。富む人と貧しい人の格差。渦巻くデマとパニック。それでも感染は止まらない。1665年ロンドンを襲った“ペストの大流行”は10万人の死者を出して人々の生活を一変させた。膨大な資料の圧倒的事実から書かれた迫真のドキュメンタリー小説!新訳書き下ろし!
アメリカ中西部の平穏な町で、5歳の少女ヘイリーが失踪した。事件を担当する刑事デッカーは奔走するが、未解決のまま3週間が過ぎた。誰もが絶望する中、第2の事件が起きるー。責任を感じたデッカーは、すべてをなげうち、少女を捜し出すべくアメリカ中を訪ね歩く。わずかな手がかりをたぐり、彼が辿りついたのは、大都市ニューヨークだった…。孤独な刑事の執念の捜査を精緻に描く、円熟のサスペンス。
サンディエゴの探偵にして地元屈指のサーファー、ブーン・ダニエルズは、“紳士の時間”を海で楽しむサーフィン仲間から、妻の浮気調査の依頼を受ける。同じころ、爽やかな人柄で愛されるサーファーのK2が、ダイナーで殴り殺された。人気者の死に街中が悲しむなか、加害者の弁護士に雇われたブーンは調査を開始、真相は別にあると直感。そして危険過ぎる事件の内実が、カリフォルニアの太陽の下に晒される時が訪れるー。
カリフォルニア州最南端、サンディエゴのパシフィックビーチ。探偵ブーン・ダニエルズは、夜明けのサーフィンをこよなく愛する。まわりには波乗り仲間“ドーン・パトロール”5人の面々。20年ぶりの大波の到来にビーチの興奮が高まる中、新顔の美人弁護士補がブーンのもとを訪れたー仕事の依頼。短時間で解決するはずの行方不明者の捜索は困難を極め、ブーンの中の過去の亡霊を呼び覚ます。ウィンズロウの新シリーズ第1弾。
南極横断の冒険に失敗して失意の底にあったアメリカ人飛行士オーエン・ハートは、1938年、ナチスドイツに雇われ、再び南極探検へと出発した。しかし航海中、ノルウェーの船と戦闘状態になり、破損して南極の小さな火山島にたどり着く。そこには、苦悶に顔をゆがめた死体の山があった。何か新種の病原体らしい。ナチスの高官ユルゲン・ドレクスラーは、それを生物兵器に利用しようと考える。