著者 : 中村能三
完全殺人事件完全殺人事件
その朝、マリウスと署名された慇懃無礼きわまる投書がロンドンの主な新聞社と警視庁に届いた。興味本位に受け止められ、あるいは持て余された文書は、結果的に五紙が掲載、英国全土に話題を撒いた。第二第三の手紙で日時と場所を指定し、正面きって「完全殺人」を予告するマリウス。やがて文字通りの事件が…。傲岸不遜な犯人の、金城鉄壁・森厳壁塁の勝算を突き崩す方途は。
生のさなかにも生のさなかにも
砲声とどろく南北戦争の戦場、そこでは一兵卒から将軍にいたるまで、いつ襲ってくるとも知れない死と向かい合っていた。そして平生の市民生活を送っているときでも、人々は死神にもてあそばれているのだ。人生の辛辣な観察者であったアンブローズ・ビアスが、類まれな技巧をもって描き上げた、生と死の悲喜劇26編を完全収録した、傑作短編集の決定版。
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