著者 : 中澤日菜子
夢を捨てきれないまま、追い詰められて就職した青年の葛藤と想い(『お願いおむらいす』)。対照的な人生を歩んだ姉妹の生き方、悩みをホロ苦く優しく描く(『キャロライナ・リーパー』)。ラーメンの名店を巡る、師匠と弟子の師弟愛の行く末は…(『老若麺』)。自他共に認める崖っぷちアイドルが見いだしたかすかな希望の光(『ミュータントおじや』)。50代後半リストラ男性の家族への想い。最愛の母の最期に下した決断とは(『フチモチの唄』)。心がほわっと温まる連作短編全5編。
運転免許を返納して落ち込む葉介の元に舞い込んだのは、なんと自転車レースへの誘いだった。個性豊かなメンバーに刺激され、チームに加わることになった葉介の日常は大きく変わり始めー。平均年齢76.6歳のメンバーが繰り広げる痛快青春小説。何歳になっても人生は面白い!
無駄にイケメンな三十代、高橋秋彦と恋も結婚も諦めたアラフォーの三輪言問子。どちらも東京での居場所をなくし、ここ小豆島に人生をリセットするためにやってきたがー。家庭から逃げ出したい真奈美や超絶美少女・遙の出現で平穏な島が大揺れに。軽妙な筆致で描かれる笑いと涙の、ノンストップ家族小説。
人々の大きな夢と希望を集め、郊外に開発された巨大な人工の町ー若葉ニュータウン。高度経済成長、バブル景気、震災、そしてすぐそこの未来まで…。1971年から2021年までの10年ごとをニュータウンの住人たちの視点で紡ぐ、全六編の連作短編集!
大手メーカーを定年退職した勤。さあ隠居生活と思いきや、商社勤めの娘が出戻り、勤は孫娘のため小学校PTAの副会長を務めることに!会長はギャル男、相方の副会長は気弱な主婦。活動を「暇な主婦のお仕事ごっこ」と公言する勤も、敵を作らぬわけがない。トラブル満載の行事が続く中、信頼する教師がある事件で起訴されてしまい!?人生の全てを仕事に捧げてきた昭和の男が、子供と家族、自分と向き合う1年間!
彩は三十四歳、アルバイトで独身。伊藤さんは二十歳年上の給食調理補助員。古くて狭いアパートでの気ままな同棲暮らしは彩の父の登場によって破られる。居座る父とのぎこちない共同生活は続くのか?誰にも必ず思い当たる家族問題を笑いと緊張の絶妙なタッチで描く、選考委員絶賛の小説現代長編新人賞受賞作。
大手家電メーカーを定年退職した、いわゆる元「モーレツ社員」の武曾勤。悠々自適の隠居生活…のはずが、商社勤めの娘が、小学一年生になる孫娘と共に出戻った。さらに、勤は娘の代理で青葉小学校PTAの副会長を務めることに。会長は24歳金髪のギャル男、もう一人の副会長は気弱な主婦。勤は「PTAなぞ暇な主婦のお仕事ごっこ」という認識で、敵を作らぬわけがない。早速、会計監査でママ集団のボス・雅恵に目をつけられる。形だけの総会、子連れの居酒屋打ち上げ、運動会に夏祭り…勤には到底理解できない出来事と、トラブル満載のイベントが続く中、信頼していた教師がある事件で起訴されてしまい…。時間・労力・愛・体力を仕事に捧げてきた昭和の男が、子供と家族、自分自身と向き合う一年間。
恋愛戯曲で注目の女子大生劇作家は、筋金入りの“未恋”女子。そんな彼女がリアルに恋をした。でも想いは告げられないまま時が過ぎ…(「星球」)。元エリート会社員の婚活騒動。天体マニアの女性に向けられた年下男の溢れる想い。妊婦の忘れていた恋心。セレブ夫婦の離婚工作を引き受けた便利屋中年社長の偽恋。戦争に翻弄された若者たちの絆…すんなり行かないのが恋だけど、どこかで必ず希望の星が光っている。恋する人、恋を待つ人にエールを送る6つの恋愛物語。
親友を頼り、東京から小豆島へやってきた内向的な30代イケメン・秋彦。島のホテルで仕事を始めるが、恋も結婚も諦めたアラフォー女性・言問子と、家庭から逃げ出したいアラサー主婦・真奈美の間で、彼を巡りイザコザ発生。さらに東京育ちの美少女の出現で波瀾万丈の予感!?平穏に生活していた島の人々を巻き込んで、島へ逃げるしかなかった秋彦の内面が明らかになっていく…。「家族」って何だろう?いちばん大事なものって何だろう?次代を担う新鋭・中澤日菜子の家族小説。
娘と彼氏の狭い同棲部屋で始まったぎこちない共同生活。すれ違って生きてきた父と娘に心通じあえる日は?第8回小説現代長編新人賞受賞。誰にでも起こりうる家族問題を笑いと緊張の絶妙なタッチで描くデビュー作!