著者 : 小栗浩
トレド風雲録トレド風雲録
21世紀、十字軍華やかなりし時代のスペイン。キリスト教徒とイスラム教徒がイベリア半島の支配権をめぐってしのぎをけずっている。ユダヤ人イェフダ・イブン・エズラは、イスラム文化栄えるセビリャから、キリスト教勢力が支配するトレドに赴く。カスティリア王アルフォンソ8世の財政顧問として国を豊ませ、トレドに住むユダヤ人をキリスト教徒の迫害から守るには、なんとしても国内の平和を維持しなければならない。イェフダは、血気はやるアルフォンソを戦から遠ざけるため、最愛の娘ラケルを王に捧げる。可憐なラケルとアルフォンソは、7年のあいだ愛の生活にひたる。しかし英国王ヘンリーが逝去すると、スペインにはいよいよ戦雲がたれこめてくる。アルフォンソは、ラケルの愛とイェフダの知恵を捨て、イスラム勢力に戦いを挑むが…。
アンリ四世の青春アンリ四世の青春
16世紀フランス。新教と旧教が激しくせめぎあう覇権争いの時代。この歴史の舞台で、人びとはいかなる青春を生き、どのような生を閉じたか。嵐は、ピレネーの小国に育つ少年アンリを巻きこんで、首都パリへと連れさる。ルーヴル宮を背景に、アンリとヴァロワの王女マルゴをのせて、愛と政略と野望の人間ドラマは展開する。一方に『エセー』の賢人モンテーニュとアンリの出会いを配しつつ、苛酷な宗教戦争の真只中を生き抜いたアンリ四世の躍動する青春をダイナミックに描きだす歴史超大作。
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