著者 : 彩河杏
満月のうえで踊ろう満月のうえで踊ろう
あたし(生菜子)がひょんなきっかけで、小次郎じいちゃんのやっている下宿屋(三日月荘)の小間使い兼便利屋になってから、随分と月日がたった。当然のことだけど、引っ越して行く人もあれば、入って来る人もいる。ある日不動産屋が「変わった男の方だが」といって、新しい住人を紹介してくれた。その後ろ姿を一目見て、びっくり。なんと金色長髪!ええっ、外人?だが、彼は…。
三日月背にして眠りたい三日月背にして眠りたい
バイトをクビになり、明日からどうしようかと困っていたわたしの所に、見知らぬじいさんがやってきた。彼は「萩原生菜子さんじゃね。わしは天野小次郎、あんたのおばあさんの恋人だった。わしのやっている下宿屋を手伝って下さらんか」と言った。えぇっ、いったいどういう事?でも、結局、その申し出を受けた。三日月荘、それが新しい職場。そこにはいろんな住人がわたしを待っていた。
憂鬱の、おいしいいただき方憂鬱の、おいしいいただき方
人はそれぞれ、他人には決して理解しえない自分だけの憂鬱(ささやかな悩み)を持って生きている。日常の生活の中で確かに悩みのタネはあちこちに転がっているだろうが、嫌いな物を工夫して食べるように、それらの憂鬱も工夫しだい、気の持ち方で全然苦にならなくなるはずである。どれだけ人生を楽しく生きられるかは、この憂鬱とうまく付き合い、おいしくいただくかにかかっているのでは?
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