小説むすび | 著者 : 新井政彦

正徳元年（１７１１年）１１月９日。御城将棋の１２日前、死の１年前。次期名人争いの渦中、１５歳で夭折した天才少年棋士・伊藤印達が令和の神田明神に降り立つー。

『浮きたつように指せ』と留次郎は言った。１５歳、奨励会三段。令和の天才将棋少年が幕末にタイムスリップ。伝説の棋士・天野宗歩と対峙するー。

日本ミステリー文学大賞新人賞が誕生してから二〇年。幅広く活躍を続ける受賞作家から、大石直紀、岡田秀文、新井政彦、望月諒子、嶺里俊介の五名が「街」をテーマに競作。普段、ぼんやりと見えている風景、行き交う人たちの何気ない行動…その中に数々の謎が潜んでいる。五つの味わい深い短編を収録した、珠玉のアンソロジー第一弾！

夫・徹夫の元から逃げ出した実優は、二年たった今でも、暴力の悪夢を見る。徹夫からの追及を恐れていたが、ついに居所を突き止められてしまう。離婚を主張する実優に、夫の代理人である弁護士は、暴力などなかったと言う。事実を証明しようと、実優はかつて住んでいた街を訪れたが、自分が間違っていたことに愕然とする。彼女の記憶の深淵に隠された真実とは！？

少女の脳内で起こる殺戮と陰謀。斬新な着想と抜群の筆力…驚異の新人が登場！第八回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。