著者 : 早瀬耕
恋の記憶と本が織りなす傑作恋愛ミステリー AI研究者の南雲薫は、15年ぶりに、元恋人からの電話を受ける。彼女は“リセ”の名で活躍する人気イラストレータになっていた。銀行の頭取だった父親が亡くなり、私生児の彼女に遺されたのは、函館にある一軒の家。その家にあるはずの、父が描いた彼女のポートレイトを見つけてほしいと南雲は依頼される。現地に赴くと、そこはアトリエではなく“書庫”だった。南雲は学生の佐伯とともに絵を探し始める。 綺麗に終われなかった恋の記憶と幾千の本が織りなす、切なくも驚きに満ちた恋愛ミステリー。 『未必のマクベス』著者による傑作長編! 他人の込み入った人生や恋愛についての小説を一心不乱に読むくらいには、僕の人生もまた込み入っているのだなと安心しました。 ーーASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文(ミュージシャン) 早瀬さんにしか書けない美しさ、透徹さを、わたしは愛している。 ーー池澤春菜(声優) 【編集担当からのおすすめ情報】 新刊が待望される著者、8年ぶりの長編小説です。
北海道大学大学院で有機素子コンピュータを研究する南雲と、突然死した友人のAIが、恋愛にまつわる事件に巻き込まれる連作集。SFマガジン不定期掲載の4篇に書き下ろし1篇を加える。
倉田タカシ、長谷敏司、早瀬耕、藤井太洋、吉上亮が、「治」「経済」「倫理」「芸術」「宗教」というアプローチから、人類とAIの未来を描く。人工知能研究の第一人者、松原仁らの最新論考を併録。
IT企業ジェイ・プロトコルの中井優一は、東南アジアを中心に交通系ICカードの販売に携わっていた。同僚の伴浩輔とともにバンコクでの商談を成功させた優一は、澳門の娼婦から予言めいた言葉を告げられるー「あなたは、王として旅を続けなくてはならない」。やがて香港法人の代表取締役として出向を命じられた優一だったが、そこには底知れぬ陥穽が待ち受けていた。異色の犯罪小説にして恋愛小説。伝説のデビュー作『グリフォンズ・ガーデン』から22年ー運命と犯罪と恋についての長篇第2作。
東京の大学で修士課程を終え、研究所に招かれて札幌にやってきた青年。彼が勤務する知能工学研究所は深い森のなかにあり、庭に何体ものグリフォンの彫刻があることからグリフォンズ・ガーデンと呼ばれている。そこにはその存在を公表されていないバイオ・コンピュータがあった。彼とともに東京を離れて札幌の大学院に進学した美しい恋人、彼女と暮らす札幌市内の2LDK、古い建物のなかの図書館…。「あなたの世界は完結しているのね」研究所の仲間に言われたひとことがきっかけになって、彼はそのバイオ・コンピュータのなかにひとつの世界を構築することを思いつく。そしてふた組の恋人たちの物語がはじまる…。