著者 : 真崎義博
ソ連大統領を乗せた特別機が北極上空で謎の爆発。米海軍原潜〈ディファイアンス〉は、急拠墜落現場への出動を命じられる。一方、ソ連軍強硬派の中心人物ミハイル・ハリコフ海軍元帥は、大統領機の墜落は米国の謀略によると主張。ブラック・ボックスを回収し、米国に核の報復をすべく、最新鋭原潜〈ネヴァ〉で北極に向かう。厳寒の海を舞台に、米ソ両超大国のパワー・ゲームが展開される。
ロサンジェルスでは、今日も高級車専門の車両窃盗団が跋扈していた。市警車両窃盗課のベテラン刑事プロフスキイは大がかりな犯行現場に遭遇するが、逆に相棒を射殺され、みずからもカーチェイスの末に負傷する。復讐の念に燃えたプロフスキイは、配属されたばかりの新米刑事アッカーマンとともに、執拗に犯人を追う。犯罪都市ロサンジェルスを舞台に、追いつ追われつの警察アクション。
ニューヨークはまるで妖怪のような都市だ。ここでは何が起きても不思議ではない。1日平均4人強の人間が殺害されているのだ…私立探偵のスパナーが、無残な肉塊と化した女性の身元不明死体を発見したのは、じめじめとした6月初旬の夜だった。死体はただちに検視官事務所へと送られたが、途中、輸送車が何者かに襲われ強奪されてしまった。おりしも持ち込まれた失踪人捜しの依頼。失踪した娘は、身元不明の死体の主なのか?大都会に生きる人間たちが織りなす愛憎のドラマを鋭い視点で描く傑作ハードボイルド。カウフマン警視シリーズ番外編。
真っ黒に塗りつぶされた特別検察官の報告書。それが、何度も噂に上り、疑惑を持たれ、現に証人が二人も消されている司法長官の裏金作りをめぐる調査の結果だった。政治家のスキャンダルはこうしてうやむやのまま終わることが多い。しかし、塗りつぶしのない完全な報告書を入手し公表できれば、灰色の司法長官に致命的な打撃を与えることも可能だ。テレビ記者の友人が私を呼び出したのは、そのためだった。自分の高い能力を証明するため、私はこの危険な仕事を引き受けたのだが…。一介の私立探偵がアメリカ司法長官の裏金スキャンダルに挑む。
報酬は十万ドルー選挙をにらんで、民主党の下院議員も私に調査を依頼してきた、時間も金もかかる仕事で、調査は難行していた。だが、急がねばならなかった。刑務所にいる証人にまで殺し屋の手が伸びできたのだ。証人の息子を殺した犯人たちの行方を探し出すこと。それがこの証人からすべてを聞き出す交換条件だった。情報を得た私はバハマに飛んだのだが…。新しい世代のハードボイルド『ただでは乗れない』で初登場した元ジャンキーの私立探偵トニイ・カッセーラが持てる力のすべてと男の矜持をかけて腐敗した権力に立ち向かう話題の雄篇。
60年代最高と謳われたロックバンド〈パーセプションズ〉の元メンバーが、なぜ殺されることになったのか。自宅のヴィデオに映っていた女の1人から恐喝を受けていたらしいのだが、その女も男友達も、さらには事件を追った同僚刑事も、やがて同一拳銃で殺された。しかし、事件はこれで終わったわけではなかった。送られてきた犯行声明文にあるロックンロールの亡霊とは何者か?またその動機、目的、そして最終標約とは?ロサンジェルスのショービジネス界を舞台に左利きの刑事ニッキー・ラフマニノフの執念の捜査を情感豊かに描く最新大作!
トマス・マクスウェルはニューヨーク在住の作家だが、著名作家のペンネームだろうという説が強い。評判となった処女作『キス・ミー・ワンス』につづいて発表した本書は、ボストンの上流社会とニューヨークを舞台に、友情と復讐と裏切りと禁じられた愛を描いた期待作である。
英国情報部改革に関する重要報告書の提出を前にして、元情報部長官が謎の失踪を遂げた。彼の報告書が提出されなければ西側の情報網に重大な支障をきたす。事件はソ連側による誘拐か?事態を憂慮した米国情報部は、工作員ベルマンを急遽英国に送りこんだ。捜索を開始した彼は、元長官が失踪したサセックスで奇怪な連続殺人が発生していることを知った。二つの事件の間には何か関連があるのか…錯綜する謎を追うベルマンの前にやがて驚くべき陰謀が浮び上がった!鬼才デアンドリアが『クロノス計画』に続いて放つ異色エスピオナージュ大作。
科学振興を目的とするビンガム財団に、100万ドルの助成金申請があった。申請者は哺乳類細胞の研究でノーベル賞を受賞したソーンデッカー博士。彼は今、細胞の老化の仕組みを解明し、永遠の命を生みだす研究に腐心していた。財団は博士の身許を確認すべく、調査員トッドを派遣する。だが過疎の町コウバーンで彼を待ち受けていたのは〈ソーンデッカーは殺す〉という謎のメモ。研究所をめぐる奇怪な人間関係を調査するトッドは、やがてメモの暗示する恐るべき事実を知る!鬼才が細胞学の知識を駆使して不老不死の問題に挑む衝撃のサスペンス。