著者 : 篠原慎
地球で最も深いと言われる太平洋のマリアナ海溝。その深海では太古の昔に絶滅したはずの巨大ザメ“メガロドン”が密かに生き残っていたー。突然、海洋研究所に招かれたジョナスは、昔、深海探査艇の敏腕操縦士だった。事故で仲間を喪って以来、初めて海に潜った彼を待ち受けていたのは、地球最大にして最恐のモンスターだった…。体長20メートル、体重20トン。巨大ザメと人間の死闘を描く迫真のパニック・アクション小説!
1995年。ボスニアで一人のアメリカ人青年が消息を絶ったことが、全ての始まりだった…。2001年。ベトナム帰還兵のデクスターは、退役後、弁護士をしながら、“アヴェンジャー”というコードネームで「人狩り」の仕事を請け負っていた。今回の依頼は、ボスニアで孫を殺害した犯人を捜してほしい、という財界の大物エドモンドからのもの。そしてこの依頼こそが、世界を“9.11”へ向かわせる引き金だった…。
エドモンドはかつての戦友の上院議員を通じてCIAにも問い合わせるが、犯人の所在は入念に秘匿されていた。青年虐殺の容疑で行方を追われるこの男こそ、ビン・ラディン逮捕計画のキーマンなのだ。その時がくるまで、必ず安全に泳がせ続けねばならない…。そして、アヴェンジャーとCIA捜査官の命運は、男が隠棲する南米の地で、遂にクロスするー。戦争に彩られた半世紀を描ききった、軍事スリラーの傑作。
ロンドンの寂れた街角で、足の悪い老人が二人組の男に襲われた。犯人は殴る蹴るの暴行のうえ、財布を奪って逃走。被害者は脳内出血で、身元不明のまま死亡してしまう。やがて、犯人は目撃者の証言によって逮捕され、誰もが有罪確実とみていたのだが…。表題作「戦士たちの挽歌」をはじめ、結末の意外性が存分に楽しめる三編を収録。物語の醍醐味が凝縮された、珠玉の短編集。
バンコク発ロンドン行き英国航空10便。バカンスを終えた家旅客らを乗せた機内で繰り広げられる麻薬組織とMI5の闘いを描く「囮たちの掟」、西部開拓時代を舞台に、ネイティヴ・アメリカンの娘と騎兵隊の男の一途な恋の逃避行を描く「時をこえる風」の二編を収録。キング・オブ・ストーリーテラーが放つ、物語の真髄を極めた至高の短編集。
ウォール街最古の歴史を誇る名門投資銀行で、20代にしてM&A(企業買収)部門最年少パートナーに抜擢された実力の持ち主、アンドルー・ファルコン。彼は洋々たる人生を歩むべく実業家に転身するが、思わぬ悲劇が襲い、一転してすべてを失う。そんな彼のもとにアメリカ史上最大の企業買収の依頼が舞い込んだ。続々と課せられる悪条件の中、無謀ともいえる巨大マネーゲームに知力、体力そして気力の限り、敢然と挑むファルコン。だが、その壮大な乗取りは、巧妙な罠が張り巡らされた、邪悪な欲望と怨念のプロジェクトだった-。