著者 : 西風隆介
竜の源高句麗竜の源高句麗
文学部・心理学科・認知神経心理学研究室の分室『情報科』の室長を務める火鳥竜介はウェブサイトで超常現象、オカルト、神話伝承などを扱うフォーラムを複数主宰していて、そこに書き込みがあった。保育園の保母からで、ひとりの園児が高句麗のお姫様が竜の背中にのってお山に飛んでいくといいだしたという。お姫様が竜を踏んづけてなどという話になったが、何か悪いことがおこっていて、この園児の言葉は吉か凶かというような質問だった。高句麗の姫というのは、日本神話に登場する菊理媛と関係があると一部で強く言われていて、黄泉比良坂のシーンに登場するから暗黒世界の女神なのだが正体不明なのだ…。歴史部の面々も総登場の新たなる大きな謎は。
真なる豹真なる豹
依藤警部補は十一年前の死体なき殺人事件を追っていた。埼玉県大宮市郊外の五階建てのマンションで起こった事件である。五〇三号室の住人は当時二十三歳になる女性で大手モデル事務所に所属していた。毛足の長いベージュ色の絨毯が、おびただしい量の血で赤黒く染まっていたのだ。残された血液から被害者を断定したが、死体がないのである。その容疑者と目された男が台湾から戻って来たが…。生まれ変わりの謎に挑む超伝承ミステリー第二弾。
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