著者 : 鄭穎馨
郎千秋、そして四大害・戚容との複雑な関係が明らかになった謝憐。その過去に天界は騒然として、三度目の追放を願い出た謝憐は君吾から禁足を命じられる。だが、そんな彼を天界から攫い、「あなたは間違っていない」-そう言って千々に乱れた心を受け止めてくれたのは、他でもない花城だった。菩薺観へ戻り、戚容や子供たちと奇妙な共同生活を送る謝憐は、依頼を受けてとある異象の調査へ。霊との攻防の中で湖へ飛び込むと、突然水中で誰かに口づけられる!瞠目しながら謝憐が感じたのは、柔らかな唇、力強く腰を抱く腕、そして眩い赤色でー。
二度の追放を経て、八百年ぶりに神官に復帰した謝憐は、下界で三郎という少年に出会い、ほんの数日の間に親しくなる。謝憐のことを「兄さん」と呼び、常に悠然と笑っている三郎。しかしその正体は、天界の神々ですら恐れるほどの絶大な力を持つ鬼王、花城だったー!再会を約束するかのように、指輪を一つ残して姿を消した花城。一方、天界に戻った謝憐だったが、失踪した神官の捜索という任務を受けて鬼市に潜入することになる。そこはまさに花城の縄張りで、彼の住処に招かれた謝憐は、少年ではない真の姿で現れた彼に「会えて嬉しい」と歓迎されて!?
仙楽国の太子・謝憐は、十七歳の若さで飛昇し天界の武神となった。しかし、自らの行動が原因で二度も天界を追放されてしまう。それから八百年後ー。三度目の飛昇を果たし天界に復帰したものの、今や謝憐の信徒は残っておらず、他の神官たちからもはみ出し者扱いされてしまうのだった。地道に信徒を獲得しようと下界で一人奮闘する謝憐は、ある日、三郎と名乗る美しい少年に出会う。行くあてがないと言われ共に過ごすようになり、慕ってくれる彼と仲を深める謝憐。だが、なぜか天界や鬼界に詳しい三郎には秘密があるようでー?
蘇った夷陵老祖を討伐するため、四大世家が再び決起する。けれど、今の魏無羨の隣には、迷いない瞳の藍忘機がいてくれた。彼への想いを募らせる魏無羨だが、互いの肌に触れ口づけた夜、どうしようもなく惹かれる自分と、その想いが叶わぬことを知る。そして過去の謎が紐解かれる時、何度も重なってはすれ違い続けた二人が辿り着く愛の形はー。その後を描いた番外編は、魏無羨が少年たちを率いて夜狩に繰り出す「鉄鉤」、忘羨が淫靡な夢の世界に迷い込み情欲に溺れる「香炉」など、八つのお話を収録。あの日の旋律が永遠に続く誓いへと変わる。
魏無羨が十代の頃、藍忘機と協力して妖獣を倒したことで二人の距離は少し縮まった。しかし、それがきっかけで雲夢江氏は岐山温氏により壊滅に追い込まれてしまう。襲撃から生き残ったものの、突然姿を消した魏無羨を捜し続ける藍忘機と江澄。そして再会した時、彼は笛音と翳りを身に纏い鬼道を操るようになっていた。その強大な力を恐れ持てはやす者たちに反して、藍忘機だけが彼をまっすぐ見つめ、正道へ引き戻そうとする。会えばいつも喧嘩別れになる二人だったが、何度突き放しても藍忘機は諦めずー。
かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨は、すべてを失い非業の死を遂げた。しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。それから13年後ー別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。正体を隠し過去と決別しようとするが、よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、藍忘機と再会してしまう。自由奔放で快活な魏無羨と、品行方正で寡黙な藍忘機。前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、なぜか彼はそばを離れようとせずー。あの日の旋律が再び二人を巡りあわせる。世界が熱狂する中国BLファンタジー。
凶悪な「左腕」の謎を解くため、旅に出る魏無羨と藍忘機。まだ正体を隠そうとする魏無羨だったが、藍忘機にはとっくに彼だと見抜かれていた。昔と違い、今の藍忘機はいたずらにも動じず、お喋りな魏無羨の話に耳を傾け、時には酒に付き合おうとまでしてくれる。その変貌ぶりに驚きながらも、魏無羨は彼といるのが楽しくて心地よく感じていた。やがて辿り着いた義城で、ある男に襲われ「砕けた魂の復元」を頼まれる。傷ついた魂は、一人の男を巡る愛憎の結末だった。悲劇に幕を引こうとする魏無羨を守る藍忘機だがー。世界が熱狂する中国BLファンタジー。