著者 : 鳴海風
鬼女鬼女
「将軍家に尽くすべし」という会津藩『家訓』や「ならぬことはならぬものです」という『什の掟』の厳格な教え。それに従い、利代は九歳の駿が数学に打ち込みたいのを知りつつも、会津武士として厳しく育てた。やがて尊王攘夷が倒幕へと傾き、薩長が官軍と称して会津に押し寄せる中、十六になった駿は白虎隊に身を投じる。利代は駿に死ぬ覚悟をつけさせるべく、己のなぎなたで徹底して稽古をつける。藩主のために命を捨てろと、利代は心を鬼にして我が子を戦いに送り出すが…。会津に生きた母と息子の強い絆と鎮魂の物語。
和算の侍和算の侍
天才算術家関孝和に師事し、葛藤する中で円理を究めた高弟建部賢弘。その苦闘の生涯を描く「円周率を計算した男」(歴史文学賞受賞)ほか、独学にして大酒飲みの奇才久留島義太、算学者であり大名だった有馬頼〓(ゆき)、百姓出身で孤高の算術家山口和など、江戸の天才数学者たちを主人公に、数奇な人生模様を情感溢れる筆致で描く、和算時代小説の傑作。
和算忠臣蔵和算忠臣蔵
暦作りを巡る秘法・利権に対立する朝廷と幕閣。両者の綱引きの手駒として利用された吉良、浅野。権力者の思惑に引き裂かれる和算への情熱、武士の意地、恋の行方-。華麗な元禄を駆け抜ける青春像。
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