著者 : C.J.チェリ
〈会社戦争〉は〈艦隊〉側の敗北で終結した。ステーションで絶望の日々を送る、元〈艦隊〉の軍人ベット。彼女は宇宙に出たいー心で、正体不明の辺境航行船ーリムランナーーに整備工と身分を偽って乗りこむ。ところがその船は、よりによって〈艦隊〉の生き残りを狩るスパイ船だったのだ。くせ者ぞろいの乗組員にかこまれて、一触即発の苛酷な宇宙生活が始まった。ヒューゴー賞受賞作家が放つ現代のスペース・オペラ。
〈同盟〉には、アリの政治的立場だけでなく命まで狙う動きがあった。それを知ったアリは初代アリがコンピューター内にのこしたデータのすべてを手に入れ、後見人である叔父からさえも独立した勢力基盤をひそかにかためはじめる。おりしも首都ノヴゴロドで反体制派による破壊活動が頻発し、アリの身近はさらに緊迫するが…。人間製造の技術を手にした人類の姿をえがいて数々の問題を提示する傑作巨編、堂々の完結。ヒューゴー賞受賞作。
初代アリは複製の育成のために、公私にわたる莫大な記録をのこしていた。後見人である叔父との確執、仲間の子供たちとの駆引き、性のめざめー。多くの悩みを抱えるアリに、初代アリはコンピューターを通して語りかけ、アリは初代アリの人生をなぞるかのように成長していく。いっぽう防衛庁内部では、テープ製造を独占しているリシューンの国有化を主張する一派が台頭し、アリの立場を脅かしはじめるが。ヒューゴー賞に輝く傑作巨篇第三巻。
生前みずからが残した詳細なデータをもとに再生されたアリ。なにも知らずに成長した彼女が七歳のとき、突然ママが姿を消してしまう。七歳で実母と死に別れた“初代アリ”と同じ環境を作るため、後見人たちがとった措置だった。やがて自分が、かつて絶大な権力を誇った女性の“複製”であることを知った彼女は、初代アリが残した全遺産の相続権を主張して法廷に立ち、一躍マスコミの寵児となるが。傑作SF巨篇第二巻。ヒューゴー賞受賞。
〈辺境〉星域における反地球勢力〈同盟〉の中心地、惑星サイティーン。ここでは植民政策にともなう人員増強のため、徹底した遺伝子操作とテープ学習によって人間が“製造”されていた。この技術を管理する遺伝子工学研究所は、ひとりの老獪な女性科学者アリアンが全権を掌握している。才能と権力をほしいままにする彼女が極秘のうちにすすめる、きわめて危険な試みとは。ヒューゴー賞に輝く傑作SF巨篇、堂々の開幕。