彷徨える帝(下)
かつて今川了俊を謀反に導いた黒色尉の面は将軍足利義教の手に落ちた。白色尉の面に操られた鎌倉公方足利持氏の反乱も義教に鎮圧される。しかし、恐怖政治を強める義教にも苛烈な運命が待ち受けていた。次第に明らかにされる能面の秘密、そして後醍醐帝を怨念へと駆り立てた太古の記憶とは。民衆の決起は何を意味するのか?日本史から抹殺された後南朝時代に大胆な解釈を加え、「天皇とは何か」に挑んだ渾身の大河絵巻。
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足利将軍暗殺、京都封鎖。後醍醐帝の亡魂の為せし業か。南北朝騒乱の残り火に油を注ぐという怖るべき〈能面〉の行方を追え-。旧体制が音を立てて瓦解した後南朝時代を、破格のスケールと雄渾な筆で描く時代小説の絶品。 1994/03/15 発売
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足利幕府が擁立する北朝に皇統を奪われた南朝方。その一人として、小倉宮を奉じ南朝再興に尽力する北畠宗十郎は、後醍醐帝の呪力が込められた三つの能面の入手を命じられた。面に隠された、幕府を崩壊させるほどの秘密とは何か?将軍暗殺ー嘉吉の乱を経て、時代は大きく動いてゆく…。日本史の中で無視され、抹殺されてきた闇の「後南朝時代」に大胆な解釈を加えた、渾身の快作。 1997/03/30 発売