情熱はかけがえのない命のように愛おしい。幕末の世に南画一筋に生きようとした武家の娘の数奇なる運命。人生への愛おしさを感動的に描いた長編時代小説。直木賞受賞第一作。
幕末、小藩の大番頭の娘・明世は南画の自由な世界に魅せられるが、世間の仕来りは女子が絵を描くことを許さない。結婚して夫と姑に仕えることを強いられた二十年を経て、明世はついに自らの情熱を追う決心をするー封建の世に真の自立の道を歩もうとする一人の女性の、凄まじい葛藤と成長を描いた感動長編。 2005/12/06 発売