小説むすび | 禁じられた呪文

禁じられた呪文

禁じられた呪文

自業自得とはいえ、ガリオン一行に愛人を殺害されたグロリムの尼僧チャバトは復讐鬼と化した。だが、高僧アガチャクとマーゴスの王の面前で即座に私怨をはらすわけにはいかなかった。なにしろ、ガリオンたちはマロリー皇帝暗殺を企む人物を護送する任務を負っているのだ。ただひたすら機会を待つうちに、やがて事態は意外な展開を見せはじめた。なんと、暗殺者は偽ものだったのだ。となれば、もはやなんの遠慮もいらない。今までこらえていた憤怒がついに爆発し、尼僧の口から不吉な呪文がこぼれ出た。悪魔を呼び出す禁じられた呪文が。

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