1990年10月1日発売
「おれは函館で、人を殺した。何とか-」親友・牧原は十津川にそう言い残して、病院でこと切れた。ところが捜査をしてみると、牧原の告白した日には彼は函館でなく大阪に出張。さらに西新宿の高級マンションでモデルが殺され、牧原との意外な「関係」が浮かびあがる。十津川警部の心は揺れる。…。最新傑作ミステリー集。
将軍献上宇治の御茶壷行列にやくざの群が斬り込んだ。虹壷をねらい黒八、闇兵衛の伊賀者が、盗っ人が躍り、浪人者、莫連女、妖尼が躍る…。公家、茶壷、刺青、やくざを結ぶ因縁とは?“和麿さま”と瓜二つ、男っぷりの無宿者、血太郎の忍法“流れ雲”が冴えるー破天荒。妙な人物が織りなす忍法復讐譚。
ピントが外れている文章こそ正解!問題を読まないでも答はわかる。国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。
沢村ゆりーナンバー・ワンの女性戦士の前に、亡き恋人・矢沢高雄の友人ダニエル・ヘニングスが現われた。ヘニングスは、魔女軍団マダム・マヌーに愛息を惨殺され、その復讐をゆりに依頼する。ゆりは、犯人一味を追って、ついに難攻不落といよれるイギリスの要塞へと迫るが…。美貌の戦士、危うし。
千苑はフツーの高校2年生。でもB・Fの航がタレントだから、フツーのカップルにはない悩みごとが、イロイロあるのよね。たとえば、おっかけの女の子たち。航めあてに校門で待ってるのだけど、その前を彼と一緒に下校するなんて、ちょっとできないでしょ。「気にすんなよ」と航は言ってくれるけど、17歳のオトメ心を何と思ってるのよ。大好評『ツイン・ハート』シリーズ第4作。
「ともだち」から「すき」へ。苺子の心の中で、朝くんはいつのまにか大切な存在になっていたの。でも、彼の心は、同じ新聞部の夏実に傾いてしまって、苺子は伝えられない想いをかかえて、せつなくつらい…。夏から秋へ流れていく時の中で、恋敵の桜子と仲よしになったり、先輩華子の恋人の高久部長に心が揺れたりして、苺子がたどりついた結末は。『イヴたちへの伝言』完結編。
彩女の彼氏は数学の長沢先生。もちろん学校にはナイショのおつきあい。親友の結花や鳥海緒は心配するけれど、オトナの彼氏を持っているのが彩女には嬉しい。でも、ある日先生から高価でオトナっぽいプレゼントをもらって、ちょっぴり気が重くなる。彩女は本当は可愛いものが好きなのだ。そんな時、彩女はたまたま訪れた病院で、意外な人と再会し…。好評、学園恋愛ジャンクション第4弾。
実のパパに会いたかった。ママは「あなたのパパは妖精の王様よ」って言うけれど、そんな…。高2のあたしは恋の占い師、人呼んでロマンチック・モリカ。本名は成瀬森香。情に厚いマドカの応援で、あたしはようやく戸籍のパパ・中島さんに会うことができた。ところが中島さんは、戸籍だけで実のパパではなかった。そんなとき、六本木で菫色の瞳の君に出会った。なにか、運命を運じるわ!
せつなく、うれしい、ラブ・ストーリー。ニヒルにかまえた、黒い笑いの物語。心がポカポカ、なつかしいメルヘンたち。想像力が銀河をめぐる、SFファンタジー。たった2〜3ページのなかに、あらゆる世界がつめこまれた、ショート・ショートたち。雑誌『COBALT』に寄せられた読者の傑作、78編を集大成。
県立松原高校に入学した島崎美香。迷わず野球部に入った。もちろん、女子マネとしてだけどね。というのも美香の父さん、この野球部では伝説の大先輩。母さんとのなれそめも、父のホームランが縁だったらしいの。でも今の野球部ときたら主将の浅田以外は「?」の人ばかり。同期の裕太にしても、ソフトボール部の白川瞳におネツみたいだし…。「めざせ甲子園!」美香の活躍が始まった。
刑務所から出所した日向政一を待ちかまえていたのは、美青年花村千次。美術商の父をヤクザに殺されたため、ニューヨークから帰国。百万円の手付金で日向こと“ヒグマ”に「殺し屋」入門。標的は巨大組織三星会組長。日向は殺し屋レッスンの第一章として、なぜか花村を自分の愛人美樹のマンションに連れてゆくー。ユーモラスに展開する異色のハードボイルド長編小説。