俺はいつも、「オバアチャン、オバアチャン、オバアチャン」で、この家にいて祖母に向き合う時にだけ、辛うじてこの世に存在しているみたいだ。第131回芥川賞受賞作。
29歳、無職の“俺”。マリファナに耽溺しながら、寝たきりの祖母を自宅で介護する日々。“悟っては迷う魂の俺から朋輩へ”放たれる熱狂と呪詛。新しい饒舌文体でセンセーションを巻き起こした、モブ・ノリオのデビュー作にして芥川賞受賞作。単行本未収録の短篇「市町村合併協議会」「既知との遭遇」も収録。 2007/09/04 発売