食道がんで入院した五十一歳の多花子。ある日隣室に、十五年前に別れた男が入院してきてー。恋愛と歳月の不思議と残酷を描いた傑作短篇五篇を収録。
食道がんの手術のために入院した51歳の多花子。それは、半身不随の母をひとりで介護する暮らしの中で得たつかのまの休息だったが、隣の病室に昔の男がいることに気づいて…いくつもの人間模様を見届け、後半生をあるがままに受けとめ生きる女性の覚悟としなやかさ。不思議な迫力に満ちた傑作短編集。 2013/10/10 発売