小説むすび | こんばんは、太陽の塔

こんばんは、太陽の塔

こんばんは、太陽の塔

少女時代から陶芸家を目指してきたカティアだったが、師匠であり恋人でもあったライダーと決裂してしまう。夢を諦め、逃げるようにアメリカを離れたカティアの新地は、大阪の北摂。そこでは、師ライダーとそっくりの顔をした「太陽の塔」がそびえたち、あたりを睥睨していた。カティアには秘密の悩みがある。少女時代のある日、ライダーに「伝承」されて以来、自分の手が師匠のものになってしまった。ありえないことだが、腕先に、骨ばった長い指の「ライダーの手」がくっついているのだ…。異国の地で新たな生き方をひとり懸命に模索する、再生の物語。

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