小説むすび | 還魂の花灯

還魂の花灯

還魂の花灯

出版社

徳間書店

発売日

1992年11月1日 発売

元宵すなわち正月15日の夜は、「都鄙を通じて家ごとに意匠を凝らし巧緻を極めた燈篭を無数に懸け連ね、月明と光を争ふその火影を追うて今日を晴れと着飾った子女老若が夜もすがら歌ひ且つ踊って暁に及ぶ」(石田幹之助)という。羅綺街に満ち塵土香わしいなかを二郎真君もまたひとりの佳人を連れて観燈を楽しんでいた。鴛鴦の好一対。そこへ小珊という平康坊の妓女が声をかけてきた。束の間の立ち話の後、二郎が追うと佳人の姿はなかった。翠心が消えた。意中の女を追って冥界へ旅立つ二郎の前に何が?会心の第5弾。

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