小説むすび | 廓祝言

廓祝言

廓祝言

出版社

徳間書店

発売日

1990年9月1日 発売

玉里は松葉屋の折檻部屋で、三日目の朝をむかえた。天井下の梁からおろされた綱で玉里は吊るされている。半裸の肌身に縄目が食いこんでいた。後ろ手にされた手首と腕の痛さも、今は感じなくなっていた。足ぬきをはかった遊女が、どんな仕置きを受けるものか、玉里も話には聞いていた。しかし、こんな酷いものとは。玉里はひたすら耐えていた(廓祝言)。表題作他、悲恋を描く時代小説七篇を収録。

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