乾坤大戦記(上)
ワシントンDCのアメリカ中央情報局-通称ラングレーといわれる場所、内部の人間がカンパニーと呼ぶ組織でシロン・リーは、サダム・フセインの動向にくぎづけになっていた。八月二日、この日、中東の軍事大国イラクが隣国クウェートへ電撃侵攻した。国連は無条件撤退決議を採択したが、中国の〓@68B0@小平はどう出るか。そのとき、衛星の傍受した通信をパソコンの画面が打ち出してきた。クウェート侵攻直前に起きたチベット騒乱で、ラサの軍と公安が手配した若い東洋系の男の顔だ。その頃、香港の工藤秋生は。傑作完結篇 上。
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アラビア半島の北部に広がる不毛の岩石砂漠地帯、シリア砂漠の一角。しんと静まり返った夜の中に、突如閃光が膨れあがった。一瞬にして、巨大な火球が現出する。熱波と衝撃波が地上を襲い、轟音と共に爆風が、建造物と砂礫とを舞い上げる-CNNが伝える画面に「我らの大統領は、必ず、イスラエルとアメリカに復讐するだろう」「聖戦」の巨大なシュプレヒコールが谺した。香港啓徳空港では、火性の聖獣朱雀が黄龍こと工藤秋生がイスラエル航空に搭乗したことを突きとめた。空前のスケールで贈る人気シリーズの完結篇。 1995/11/30 発売
乾坤大戦記(上)乾坤大戦記(上)
CIA情報部中国担当のシャロン・リーは、中国の自治区となっているチベットで起こった独立運動が突然の終息を迎えた謎を解明していた。資料として回ってきたチベット騒乱の際に配られた手配書の写真の顔に目を止めた。それは半年前の大亜湾原発事故、その後の香港会議中心爆破テロの際にも居合わせた顔だったからだ。三つの事件に関連する顔ー工藤秋生とその周辺の人物を調査すべくCIAが動き出した。 1997/05/15 発売