遙かなる星(3)
1962年10月、キューバをめぐる米ソ反応兵器の応酬によって、これまでの国際体制は崩壊した。日本政府は、多角的な視点で新たな世界における長期的な安全保障策を研究する会合を組織し、日常生活を維持しつつ大戦後を生き延びる方策として、最終的に目指すべき場所は地球の外にしかないとの結論を得る。北崎重工から宇宙開発事業団へと転出した黒木正一は、人生最後の熱情をかけて、南太平洋上に建設中の宇宙港・JSP-03の完成に邁進していた。しかし闇部では旧合衆国テロ集団の恐るべき策謀が渦巻いていた。
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機体の各所にレッドサンをえがいた巨鳥は機首をあげた。着陸脚の車輪がつぎつぎと路面をはなれる。せまりくる轟音。合衆国空軍、兵器システム-110A、試作超音速戦略爆撃機ノースアメリカンXB70Aヴァルキリー。だれも、航空自衛隊の正式名称、超音速飛行特性研究機・北崎XT7とはよばない。この巨鳥こそ、第三次世界大戦の反応兵器で壊滅した世界の中で、奇跡的に被害をうけずにすんだ日本の希望の星だった。…宇宙開発に独自の視点で迫り、新しい夢を創造する佐藤大輔のノン・ストップ超弩級第2弾。 1995/12/31 発売
1962年10月20日、第35代合衆国大統領J・F・ケネディは、大統領執務室へ側近たちを集めた。キューバの共産主義者がソ連と軍事援助協力を締結し、反応弾頭を備えた準中距離弾道弾を持ち込んだからだ。未曾有の危機に直面する地球人類。一方で高度経済成長を迎えた日本では、北崎重工が宇宙開発の先鞭をつけていたー。架空戦史の雄・佐藤大輔がリアルな筆致で現代史を再検証し、その未来までを活写した伝説のシリーズ復刊。 2018/03/20 発売
米ソ間での反応兵器の応酬が引き起こした第三次世界大戦は、合衆国を崩壊させた。奇跡的に戦火を免れた日本は、大戦後の国際社会で指導的立場を得る。しかし、次なる大戦を逃れて人類が生存繁栄する道は、地球の外だと結論づけていた。宇宙開発事業団と北崎重工が進めるヘヴィ・リフターを用いた軌道開発は、高度四〇〇キロ、天空の彼方を目指すー。架空戦史の雄・佐藤大輔が、未来史を宇宙に見た伝説のシリーズ第2巻。 2018/04/18 発売