玄次は、商い途中に出くわした検屍の場で、地まわり風の男に目をとめた。岡っ引きを勤めていたときに救ってやった女と、一昨日、逢い引きしていた男だった。その頃、安兵衛の許には、老舗の包丁人が殺されたという報せが舞い込んできた…。